ICRC総裁による声明:ラマダンが終わる今こそ、シリアとイラクへの支援を強化すべき

シリア
2016.07.05

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赤十字国際委員会(ICRC)総裁のペーター・マウラーは、「シリアとイラクの人々はかつてないほどの苦しみを強いられていて、言いようのない不安と恐怖のなかで暮らしています」と話し、両国を取り巻く状況が日を追うごとに悪化している、と警鐘を鳴らしました。

神聖な時期であるラマダンがもうじき終わることを受け、マウラーは紛争に影響力を持つ当事者に対し、将来のビジョンを提示し、勇気を持って人間の尊厳を尊重するよう訴えました。

シリアとイラクでは何十万もの人が命を奪われ、住む家を追われた人は数百万にも上ります。国内避難民は、両国合わせておよそ1000万人ともいわれています。

「家や学校、病院を守るといった人道を尊重することの重要性を信じ、実行するリーダーが必要とされています。一般市民を保護し、自由を奪われ捕らわれた人の尊厳を敬い、中立で公平な人道支援が必要としている人々に届くよう努めるリーダーです」と続けるマウラー。

各国の赤十字社・赤新月社は、敵味方の区別なく紛争の影響下にある全ての人々を支援しています。ICRCは、シリアにいる600万人以上に安全な飲料水や清潔な衛生用品を届けました。イラクで食料や飲料水、医療支援を提供された人は100万人にも上ります。

「私たちは、あらゆる立場の人と対話をする準備ができています。対話を仲介することも可能です。ICRCの最大の関心は、どうしたらより多くの人々に適切な支援を届けることができるのか、にあります。いつの日か銃声が止むでしょう。そのときに一歩前進するためには、皆が人間の尊厳と生活を守ることの大切さを共有することなのです。そうすれば、少しずつではあっても、立ち直ることができるでしょう」とマウラーは述べています。

原文は本部サイト(英語)をご覧ください。