ICRCとUNRWA、パレスチナ難民支援で連携
ベイルート – シリアからレバノンにたどり着いたパレスチナ難民は、北部ベッカー高原の厳しい冬を迎えようとしています。そこで、避難家族が冬を無事に越せるよう、赤十字国際委員会(ICRC)と国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、初の合意文書を締結しました。この合意には、レバノンの最寒地域で生活するパレスチナ難民にICRCの支援が届けられるよう、両機関が協力することが盛り込まれています。
「約2000世帯のパレスチナ難民の暮らしは過酷な状況にあり、断熱効果がない未完成なシェルターで暮らしています」とICRCレバノン代表部の首席代表であるファブリツィオ・カルボニは話します。「彼らは公共サービスや労働市場へのアクセスが限られているため、支援や受け入れ団体に依存しています。そのため、私たちは、ベッカー地域や海抜500メートル地点に暮らす人々に、必要性の高い援助が確実に届くよう、UNRWAと例外的な合意を結ぶ決断をしました」
UNRWAレバノン事務所で所長代理を務めるHeli Uusikylaは、ICRCとUNRWAの協力関係を歓迎しています。そして、今回の合意は、シリアから逃れてきたパレスチナ難民に対し、これから訪れる寒い冬を乗り越えるために必要な支援物資を届ける上で非常に重要である、とその必要性を強調しています。
今回の支援は現金で支給されます。これは、暖を取るための燃料など、パレスチナ難民それぞれが必要なものを買うため、お金を自由に使えるようにするためです。現金は、5ヶ月間有効のUNRWAのATMカードで支給される予定です。
ICRCは、レバノンで1967年から活動しています。過去の紛争に起因する人道問題への対処や、シリアからの難民の支援、シリア国内での支援活動が中立かつ公平に行われるようサポートすることが主な活動内容です。UNRWAは、パレスチナ難民に認定された約500万人の人々を支援、保護すること目的に、1949年の国連総会で設立された国連の機関です。ヨルダンや、レバノン、シリア、ヨルダン川西岸地域、ガザ地区のパレスチナ難民の支援をその使命としています。UNRWAは教育や、医療、救援、社会福祉サービス、キャンプ設営と改修、マイクロファイナンスの提供も行っています。
全文は ジュネーブ本部ウェブサイト(英語)よりご覧下さい。