イスラエルとパレスチナ被占領地:2023年10月7日から2024年3月31日までの数字で見るICRCの活動

イスラエル・パレスチナ
2024.04.25
ICRCエンブレム

©ICRC

イスラエルとハマスやガザの武装集団との間で新たな敵対行為が始まってから半年が経過したが、その規模も性質も前例のない暴力は、イスラエルと占領下のパレスチナ全域で甚大な被害をもたらし続けています。

赤十字国際委員会(ICRC)は、長年の現地での活動を基盤に、新たなニーズに対応するため、支援規模を拡大しました。また、ヨルダン川西岸地区でも、暴力の急増による人道的影響に対処するため、対応を強化しました。

ICRCは、赤十字運動のパートナー、特にパレスチナ赤新月社(PRCS)とダビデの赤盾社(MDA)と緊密に連携しています。また、現地の事業者やコミュニティー、その他のパートナーとも引き続き密接に協力していきます。

以下は、私たちが過去半年間でおこなってきた活動の一例です。

2023年10月7日~2024年3月31日までの活動実績

国際人道法の尊重と民間人の保護
  • 武力紛争の当事者に、国際人道法の下での義務を再認識するよう働きかけました。特に強調したのは、敵対行為にまつわるルールや、民間人と民間インフラの保護、人質を取ることの禁止、医療活動の保護、民間人の必要不可欠なサービスへのアクセス、逮捕・拘束された者への待遇と家族と連絡する権利、死者に対する尊厳のある管理です。
  • 家族の再会
  • 家族からの7,771件の要請-アラビア語、ヘブライ語、英語による既存のチャンネルおよび追加の緊急ホットラインを通じて、愛する人の消息や安否の情報を求めて5,846件の要請が家族からありました。ガザから109人の人質の解放、イスラエルの収容所から154人のパレスチナ人被拘束者の釈放に伴い、家族のもとへ戻すべく身柄を移送しました。
  • 遺体の尊厳の尊重
  • 17,000点の法医学用品-遺体の尊厳を尊重した管理や身元確認、最終的に遺族のもとへ返すための必要物資を、17,000点を届けました。
  • 拘束下の待遇および状況のモニタリング
  • イスラエルの収容所-イスラエルの関係当局に、拘束下にある数千人のパレスチナ人の所在をICRCに報告し、家族との接触を再開するよう、継続して要請しています。
  • ガザの人質-拘束されたままの132人の解放、人道的な待遇、適切な医療へのアクセス、家族との連絡の再開、ICRCとの面会実現に向けて継続して取り組み、ハマスとも対話をしています。これまでに、ガザで1カ所、ヨルダン川西岸で11カ所、計12カ所の収容施設に382名の被拘束者を訪問し、待遇や拘束状況を調査およびモニタリングしています。
  • 弱い立場に置かれた人々への生活支援
  • ガザの39,665人(または7,953世帯)の人道支援を必要とする人々が、基本的なニーズを満たすための現金支援を受けました。
  • 救急医療
  • 309.6トンの医薬品を14つの医療施設と保健省に提供-戦傷外科用キットや創傷包帯セット、薬、救急医療セットなどが医療施設と保健省に提供されました。
  • 1,320件の外科手術-2023年11月1日以降、ヨーロピアンガザ病院を拠点に活動する外科チームは、2,672件の手術を行いました。そのうち95%は、武器で負傷した患者に対して行われ、60.2%が男性、39.8%が女性でした。
  • 人道的介入は200回-ヨルダン川西岸地区での戦闘で負傷した人びとに医療を提供するため、PRCSの救急車が安全に通行できるよう現場においてICRCが介入したケースは200回に及びました。
  • 清潔な水と電力へのアクセス
  • 100万人に清潔な水を提供-ガザ市、デイル・アル・バラ、ベイトラヒア、ハンユニス、ラファ周辺の住民100万人超が清潔な水を手に入れました。これは、地元の事業者へのサポートを通じて実現し、主要な上下水道施設や水道網の運営、燃料補給、修復に加えて、トラックによる水供給をガザ全土でおこなうことを可能にしました。
  • 14の病院に緊急電力を供給-既存のエネルギー有効活用プロジェクトを通じて、ガザ全域の14の病院に対して緊急に電力と燃料をまかなえるよう支援しました。
  • 武器汚染
  • 80万件の啓発メッセージを配信-武器汚染や爆発性戦争残存物のリスクについて、民間人をはじめ、人道・医療・その他最前線の現場で働く人びとの携帯電話にSMSで送信しました。
  • 被害を受けた人びととのかかわり
  • 100,409人からの依頼-ガザ、ヨルダン川西岸、イスラエルで、100,409人から家族の安否に関してICRCに追跡調査依頼がありました。
  • 33,466件の問い合わせに対応ーー身内の安否を気遣う人びとや負傷者の搬送や避難に関して支援を求める人びとなどの援助要請案件に対応しました。
  • レジリエンス強化
  • 戦闘下においてガザの主要サービスが稼働し続け、民間人に持続して提供できるようICRCは取り組んできました。今後も継続します。
  • より詳しい詳細については、本部ウェブサイトをご覧ください。