イスラエル/パレスチナ自治区:蔓延する暴力行為に終止符を
7月に入ってパレスチナ自治区で戦闘が激化。住居やインフラが破壊され、人々の命を脅かす事態を、私たちは非常に憂慮しています。
戦争に直接参加していない民間人の生命と財産は尊重され、保護されなければなりません。特に、イスラエル治安部隊(ISF)は、ジェニンに暮らす人々が医療サービスや避難所、食料、水に不自由なくアクセスできるように便宜を図る義務があります。救急車や緊急対応要員は、妨げられることなく負傷者にたどり着き、自らの命を危険にさらすことなく救命措置が実施できなければなりません。
暴力の高まりは、既に2023年の上半期に見て取れました。やがてヨルダン川西岸地区に緊張を生み、恐れていた人道状況の悪化につながっています。当事者は、蔓延する暴力行為を終わらせるための策を早急にとってください。
ICRCは、支援を必要とする人たちにたどり着けるよう、緊急ニーズに対応しているパレスチナ赤新月社(PRCS)と連携。今後も必要に応じて同社へのサポートを強化していきます。
そうした中で、 ガザ地区では、緊急時に質の高い医療を提供できるよう、ガザの保健省と協力してアル・シファ医療センターの救急救命局を強化。効率的な職員配置や治療の質の向上、また重傷度や緊急度に応じた患者の振り分けを実施することで、機能の向上を図ります。武力攻撃が繰り返されるたびに、医療を含む必要不可欠なサービスにさらなる負担がかかるため、こうした強化策は、人々の命を救うために力を尽くす医療従事者をサポートするうえでも欠かせません。
緊急治療が必要な病気の子どもや大規模な危機に対応する態勢が整い、ガザの拠点病院であるアル・シファ の救急チームは心強い存在となりました
ICRCガザ副代表部 ウィリアム・ションバーグ代表
ICRCは、同保健省をはじめ主要な関係者と協力して、患者に質の高い医療を提供できるよう引き続き尽力します。移動制限がある中でも、あらゆるタイプの外科的治療や緊急対応に関する研修を今後も実施していき、現地の医療従事者がより多くの患者を救えるようサポートしていきます。