スーダン:ダルフールでの支援再開、喜びをもたらす
「ただ石油缶があれば十分でした」と話す56歳のラシーダ・アーメッドは、中部ダルフール州にあるジュベル・マラ山の麓で赤十字・赤新月社が生活必需品を配付するのを見ながら泣き出しました。
赤十字国際委員会(ICRC)とスーダン赤新月社(SRCS)が、帰還住民や国内避難民に配付する数百個の生活必需品を積み上げている間、最近になって村へ戻った何百もの女性たちが山麓にある岩に腰かけました。
地元のフル語で話すゴロの町長は、今回の支援では差し迫ったニーズのある人たちだけが支援物資を受け取ることを説明する言葉を探していました。
「ICRCは、支援物資を渡して去っていく他の組織とは違います」と彼は言います。「受益者へあらゆるものを手渡しし、ちゃんと受け取ったかを確かめます。」
ハワという名の女性は、謝辞を述べるために手を宙に広げました。「山では日ごとに寒くなっています。3人の子どもを覆うのに毛布は一つしかありませんでした。今や私も夜を暖かく過ごせます。」
昨年末の配付は、ジュベル・マラ地区近くの100以上の村にまたがり1500人に行き渡りました。支援物資には衣服、石油缶、毛布、蚊帳や台所用品が入っています。それぞれのキットには、家を再建するための道具一式も含まれました。
配付の後、喜びと新たなジレンマを抱えた数人の女性たちは、受け取った支援物資をどうやって家に持ち帰るかを議論していました。配付場所に来るために20キロも歩いてきた女性もいます。「私のロバを使ってもいいですよ」と毛布と蚊帳を頭の上に積み挙げるのを手伝いながらザラは言います。
受益者の多くは高齢の女性です。多くの男性たちは紛争で命を落としたほか、この地域を逃げ出しました。女性も紛争の犠牲になりました。「私も走って逃げましたが足を撃たれました」と47歳のウム・ハゲインは語ります。彼女は、他の人ほど早く走れなかった理由を、母親が追いついてくるには高齢すぎたからと説明します。「私の長男はハルツームへ行きました。一旦稼ぎ始めたらお金を送ってきてくれるでしょう」と話します。
ザリンゲイのICRC現地事務所代表のシャラフェルディン・モハメッドは、支援を受け取った人々の間に立ち、ほほ笑みました。「私たちは支援物資を配付できてとても嬉しいです。こんなに幸せな笑顔を見れて心が温まります。」
SRCSのボランティアたちは、配付を成功裏に終わらせるため、午前中をずっと休むことなく働くほど積極的です。1週間の配付の初日を完成させるまではお昼休憩を断るほどです。
支援物資の配付は、10年以上前にゴロでICRCによって初めて行われました。ICRC は人道支援活動を再開するためにスーダン政府からアクセスの許可を受けたのち、支援物資の配付を行いました。
原文は本部サイト(英語)をご覧ください。