スーダン:エル・ファシールからの避難民、暴力体験を語る

スーダン
2026.01.09
Sudan, Tawila has rapidly become the epicentre of the humanitarian response in North Darfur, with makeshift camps absorbing hundreds of displaced civilians from Al Fasher every day.

©Mohamed Jamal/ICRC

数カ月にわたる激しい戦闘を経て、スーダン北部の都市エル・ファシールから何千もの家族が、空腹、疲労困憊(こんぱい)、着の身着のまま、タウィラに到着しています。新規避難民を現地で支援する赤十字国際委員会(ICRC)は、「暴力や食料の不足、医療崩壊から逃れた民間人を中心に、避難民の流入は日々増加している」といいます。

 

エル・ファシール脱出時の混乱する襲撃現場の状況を、7人の子の母ジャミーラ・イスマルさんは、次のように語ります。「地元市場に攻撃があった際、息子が被害にあったかもしれないと考え、市場の遺体の山から息子を必死に探しました。遺体が散乱する混とんとした状況に、胸が張り裂けそうでした。治療を求めて泣き叫ぶ方もいましたが、皆自分たちの治療で精一杯で、手を差し伸べる人はいませんでした。祈るように息子の探索を続けましたが、ついに見つけることはできませんでした。」

その後、母ジャミーラは重症を負った瀕死の息子イブラヒムを発見、数少ない開業中の医療施設に運び込み、ジャミーラと家族は隣人の支援によりエル・ファシールからの脱出に成功します。一家が避難したタウィラでは、死や虐待、家族との離散に遭遇した何千もの似たような境遇の人びとが身を寄せ合っています。

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地元の市場への攻撃後に、息子を捜索した体験を語る様子©Mohamed Jamal/ICRC

タウィラは北ダルフールの人道支援の中心地となり、エル・ファシールから数百人規模の避難民を日々受け入れています。状況は深刻で、避難民の人びとは食料、水、仮の住まい、そして医療支援の確保に苦労しています。

ICRCスーダン代表部のフセイン・イブラハム・ラソール経済保障次席調整官は「スーダン危機により、数千もの家族が自宅を追われました。タウィラには、日々新たな避難民が到着しています。その大半は女性、子ども、お年寄りで、極めて困難な状況に直面しています。基本的な生活ニーズを満たすこともままならず、飢えと渇き、トラウマで疲労困憊しています。怪我や病に苦しんでいたり、家族との離れ離れになったりした人びとも多いです。」と状況説明をします。

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避難民にとって、食料や水、シェルター、医療支援へのアクセスが困難であることから深刻化するタウィラの状況©Mohamed Jamal/ICRC

タウィラにおけるICRCチーム

タウィラの難民コミュニティの緊急ニーズに対応するため、ICRCは人道支援の規模を大幅に拡大しました。スーダン赤新月社(SRCS)と連携し、1万世帯(約6万人)の避難民に資金援助を行い、追加で1万2千世帯(約7万2千人)を対象とする支援の拡大を進めています。また、国境なき医師団が支援する病院近隣の医療施設に、包帯の材料、職員への奨励金、運営費の拠出を含めた、医療物資の提供と運営支援を行っています。

紛争により無数の家族が引き離されました。スーダン紛争の関連では、約7千人の行方不明者がICRCのデータベースに登録されています。ICRCとSRCSは、タウィラにおいても数百の離散家族の電話連絡仲介など家族の再開支援を促進してきました。

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