消えることのない傷あと:凄惨な終焉を迎えたモスルでの戦争
2017.07.12
7月10日、イラクのハイダル・アル・アバディ首相はモスルで勝利を宣言し、昨年10月に始まった軍事行動に幕を下ろしました。
戦闘は終わるかもしれませんが、モスル市内に残っている人々や今なお避難している80万人以上の大規模な人道支援ニーズは残ります。
家に戻ろうとする人たちの課題は多方面にわたります。自宅周辺には激しい戦闘の爪痕が残されています。給水所、発電所、病院、学校だけでなく、何千もの家、何百もの道路や橋も完全に破壊されています。
安全な水へのアクセスも重要な懸念事項です。約60万人に安全な水を供給しているモスル東部の8つのポンプ所の修復をICRCは終えました。現在も5つのプロジェクトをモスル西部で実施しています。
また、移動外科チームはモスル総合病院でも活動していて、活動開始以降650件以上の診察を行いました。医療班は、不発弾やその他の爆発性戦争残存物により負傷する人たちの数の増加も目の当たりにしています。
「私たちが診る外傷のうち、90%以上が銃や破裂弾、爆発によって直接受けた戦傷です」と、かつて戦闘の最前線だった場所から1キロメートルほど離れた病院で活動するジュリア・シュルヒ医師は話します。
「ここでは、とても小さな表層病変から致命的なけがまで、非常に多くの戦傷を扱います。」
「負傷者の多くは若者です」とツイートで呟いた中東地域代表のロバート・マルディーニ。「彼らは一生その傷を背負ってゆくのです。」
原文は本部サイト(英語)をご覧ください。