イエメン:死にゆく社会を変える

2018.04.04

ゆっくりと死に近づく社会の姿がイエメンにあります。壊れゆくもの――食料の調達、保健システム、教育システム、上下水道システム。そして広がっていくもの――病気、栄養失調、民間人の死。

 

各国政府の指導者たちは4月3日、イエメンの人道問題を話し合うためにジュネーブに集まります。戦争が始まってから3年、紛争での戦闘手段が、住民たちの暮らしを筆舌に尽くせないほど悲惨な状況に追いやっています。赤十字国際委員会(ICRC)は、紛争当事者たちに市民に深刻な影響を与えない戦闘手段をとるよう数年にわたって訴えてきました。しかし、それは実現しませんでした。

 

「住民たちの深刻なニーズは減るでしょう。病気も栄養失調も民間人が命を落とすことも減るでしょう。もし、国際人道法の基本が守られるのであれば」とICRC中東事業局長のロバート・マルディニは話します。「イエメンの社会は、大量の飢えと少しの医療品により緩やかに終焉の危機に瀕しています。事態の重大さを表現することは到底できません。」

 

ICRCは同じメッセージを3年にわたって繰り返してきています――民間人を攻撃しないでください。病院を攻撃しないでください。救急車を攻撃しないでください。人道支援従事者を攻撃しないでください。イエメンへの物資および人道支援物資の輸入と国内流通を認めてください。こうしたメッセージは今日も繰り返される必要があり、最終的には、支持される必要があります。こうした訴えに対する答えと現場で見る現実との間には大きなかい離があります。

 

しかし、前に進むことはできます。新しい合意が履行された後、ICRCは紛争に関連した両サイドの被拘束者を訪問することができました。更に多くのことがなされなければなりませんが、この一歩は、紛争関係者たちが国際人道法の下での責務を果たす方法を見つけられるということを示しています。

 

ICRCは、アデンとサアダの戦闘の前線にある両陣営の二つの病院に、医療外科チームを派遣し、武器負傷者や心に傷を負った患者たちに医療サービスを提供しています。昨年は合計13万9967人が二つの施設で治療を受けました。

 

原文は本部サイト(英語)をご覧ください。