昨今のミャンマー情勢について―ICRCによる声明(3月28日付)
赤十字国際委員会(ICRC)は、ミャンマー各地で続く暴力沙汰により、死傷者や被拘束者の数が増加し、人道上の被害が拡大していることに危機感を募らせています。
ICRCは、現地の治安部隊に対して、銃器の使用を含む武力の行使を厳しく制限するための措置を徹底するよう要請します。警察当局側が武力を行使できるのは、絶対的な必要性に迫られ、かつ人命が尊重されるようあらゆる実行可能な予防措置を講じた場合のみです。その際、致命傷を与えるような銃器の使用は避けなければなりません。生命への差し迫った脅威から人々を保護するために不可欠で、かつその他の手段では目の前の事態に十分対応できない場合のみに限定されなければなりません。
また、私たちがこれまで繰り返し訴えているように、負傷者はそれ以上命の危険にさらされることなく、迅速かつ適切に治療を受けることが保障されなければなりません。医療従事者やボランティア、救急隊員を尊重し、支援することも重要です。妨害されたり脅されたりすることなく傷病者の手当てをし、医療施設に搬送することができるようにする必要があります。
さらに繰り返し強調したいのは、逮捕者や被拘束者はみな人道的に扱われなければならないということです。生命や健全な身体、および尊厳を、あらゆる状況下で尊重し保護する必要があります。これには被拘束者の所在を身内に伝え、定期的に連絡を取る手段を提供することも含まれます。
最後に念を押して伝えたいのは、暴力を受けて亡くなった方の遺体を適切に処置し、尊厳を十分に保護しなければならないということです。あらゆる状況下で丁重に取り扱い、身元を確認し、一刻も早く家族のもとに返す必要があります。
私たちICRCは、公平で中立、かつ独立した組織で、武力紛争およびその他暴力の伴う事態によって犠牲を強いられる人々の生命と尊厳を保護し、必要な援助を提供することをその人道的使命としています。ICRCはまた、国際人道法および世界共通の人道の諸原則を普及させ、また強化することによって人々に苦しみが及ばないよう尽力しています。