【赤十字共同声明】人道支援への攻撃をこのまま見過ごしてはならない/世界赤十字デーに寄せて
5月8日に世界赤十字・赤新月デーを迎えるにあたり、国際赤十字のトップである、当方赤十字国際委員会(ICRC)の総裁ミリアナ・スポリアリッチと、国際赤十字・赤新月社連盟のケイト・フォーブス会長が、昨今相次ぐ人道支援に対する攻撃を国際社会はこれ以上見過ごしてはならないと、共同声明を出しましたので、以下にご案内いたします。
【共同声明:人道支援従事者への攻撃は、救いを求めているコミュニティーを攻撃すること】
世界赤十字・赤新月デーを迎えるにあたり、まずは、救護活動中に命を落とした同僚たちに深い哀悼の意を表します。こうした事態には憤りを超えて言葉も出ません。何とかして止める必要があります。
戦時のルールが無視され、人道支援従事者が意図的に標的にされている現状を、国際社会は見過ごしていいのでしょうか。そうした攻撃はすべて、救いを求めているコミュニティーへの攻撃であり、民間人を保護して紛争による苦痛を軽減する法律への裏切りです。
今年3月にパレスチナ赤新月社のスタッフが無残にも殺害された事件について、世界は激しく非難しました。しかし、これは珍しい話ではないのです。ガザやスーダン、ウクライナ、そしてコンゴ民主共和国で、私たち赤十字の同僚たちは戦火をかいくぐりながら救急車を運転し、支援を届け、前線で助けを必要としているコミュニティーのもとへ駆けつけています。
今年に入ってすでに10名の同僚の命が奪われました。人道支援従事者にとって最悪の年となった2024年には、国際赤十字・赤新月運動の職員とボランティアだけで38名がなくなりました。この恐ろしい流れを断たないと、2025年はさらに悪い結果を招くことになるでしょう。
国、そして紛争当事者は、人道支援従事者を保護し、国際人道法を遵守して、人類を守るために立ち上がることでこの不穏で危険な流れを断ち切る責任を負っています。今その行動がまさに求められているのです。
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