シリア難民受け入れで水不足に拍車がかかるヨルダン北部:揚水ポンプ場の落成式に駐ヨルダン日本大使も参列

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2018.03.20

シリアとの国境に近いヨルダン北部のバニキナナで3月18日、ICRCが着工した揚水ポンプ場の落成式が行われました。式典には、水・灌漑省関係者やバニキナナ地方長官に加えて、日本の柳秀直駐ヨルダン大使の姿もありました。

ポンプ場を視察する柳大使とモンタニ(中央左)©ICRC

 

シリア紛争による大量の難民流入に伴い、ICRCはヨルダン北部における給水事業を拡大。難民を受け入れている地元コミュニティも対象に安定した水の供給を目指し、2014年以来、水・灌漑省や地元の水道会社と共に、インフラ整備に着手しました。水路の補修や処理施設の改修など、既に27件の工事が完了し、約60万人が安定した水の恩恵にあずかっています。

 

ヨルダン北部バニキナナでの落成式の様子 ©ICRC

 

こうした取り組みを日本政府も積極的に支援してくれています。2017年以降、本事業に充てて約2億6千万円の拠出がありました。加えて、2018年には1億円余の追加支援を受ける予定です。「紛争の犠牲となっている人たちのニーズに応えるうえで、日本政府からの惜しみない支援は大変貴重です」と、ICRCヨルダン代表部の首席代表ジュルグ・モンタニは式典で感謝の意を表明。「ヨルダンも含め、ICRCが活動する数々の国において、強固な連携が長く続いていることを、この場を借りて称えたいと思います」と語りました。

 

世界の中でも特に水源が乏しいヨルダンは、従来からの水の無駄遣いに加えて、気候変動や大量のシリア難民を受け入れたことで深刻な水不足に悩まされています。