国際赤十字・赤新月運動は、洪水の被害が広がっているミャンマーに対して支援を拡充します
赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、ミャンマー赤十字社による共同プレスリリース
ヤンゴン/ジュネーブ、2015年8月11日
本日、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は、ミャンマーで最も深刻な洪水被害が出ている群区のコミュニティをサポートするため、400万スイスフラン(約5億1600万円※)の緊急支援要請を出しました。集まった支援金は、ミャンマー北部のマグウェ州、サガイン州およびチン州に住む5万8千人以上に対して、今後一年以上かけて実施する救援・復興活動に充てる予定です。
「洪水による人道的被害は広がる一方です」と、ミャンマー赤十字社社長のTha Hla Shweは説明します。「私たちは、救援を最も必要とするところを集中的に支援しています。多くの地域が水没したままで、避難所の人々は緊急援助を待ち望んでいます。一方、帰宅できた人たちも家や生計手段が破壊され、水源も汚染されてしまいました。市民が生活を再建するには、今後数か月にわたって長期的な支援が必要となります」。
ミャンマー政府は、国内14州のうち12州を襲った洪水で、100万人が被害を受けたと推定しています。川の氾濫が始まった7月中旬以降、洪水に見舞われた地域の赤十字支部から500名を超える職員とボランティアが集まり、市民を避難させたり、応急処置や救援物資、安全な水を緊急時の備蓄から提供したりしています。これまでに5万を超える被災者に支援を提供しました。
集まった支援金は、10万人近い被災者を救うことを目指す国際赤十字・赤新月運動の合同行動計画に充てられます。マグウェ州、サガイン州およびチン州におけるミャンマー赤十字社の救援・復興活動はIFRCの管轄とし、ラカイン州についてのみICRCが担当します。
「私たちは、三州(マグウェ州、サガイン州およびチン州)にいる被災者の約25%を支援する予定です」と話すのは、IFRCミャンマー首席代表のUdaya Regmi。「来月いっぱいは、生活するのに必要最低限の救援物資を被災者も望むでしょうが、支援に頼らず自立するための現金給付とのバランスも取る必要があります。私たちは、家屋のみならず、井戸や水源、トイレなどコミュニティ内の生活基盤の再建を長期的に支援していきます」。
推定100万エーカーの農地が洪水によって被害を受けたため、生計手段を回復する支援活動が赤十字のもう一つの優先事項です。
ICRCミャンマー首席代表のJuerg Montaniは、ラカイン州での活動を次のように展望します。「ICRCはミャンマー赤十字社と一緒に、現地での救援活動をサポートするために態勢を整えています。被災者が家に戻れるようになれば、清掃活動と、最も被害を受けた世帯の生計手段回復のために実用的な支援を展開していきます」。
※1スイスフラン=約129円(2015年7月時点)