国連と赤十字が再度要請:自律型兵器に対して国際的なルールの採択を

プレスリリース
2026.08.26

©ICRC

国連のアントニオ・グテーレス事務総長と赤十字国際委員会(ICRC)のミリアナ・スポリアリッチ総裁は8月25日、自律型兵器システムに関する新たな国際的ルールを各国が緊急に採択するよう改めて呼びかけました。以下はその共同声明です。

 

3年前、私たちは各国に対し、自律型兵器システムについて明確な禁止事項と規制を設けるよう呼びかけました。今日はさらに声高に訴えます。根本的な問題への懸念は依然変わってはいませんが、リスクがさらに高まっているからです。私たちは今、「機械が自動的に人間を標的にする」という倫理上の一線を超える瀬戸際にいます。

兵器技術の開発はかつてないスピードで進み、既存の法的枠組みではまかなえないほどのレベルに達しています。前回の要請時より、技術力とそれを規制するルールとの隔たりはさらに広がっています。高度な技術が戦場で使用されることで、民間人や民用インフラが被害を受けるリスクが高まり、武力紛争における民間人の苦しみがさらに深刻化しています。

自律型兵器システムの開発と使用は、武力行使の際に人間の関与を減らすことで、状況をさらに悪化させるものです。自律型兵器システムは遠い未来の話ではありません。兵器の自律性をさらに高めようとする競争はすでに始まっています。同時に、こうしたシステムを開発している科学者やエンジニア自身も警鐘を鳴らしています。この技術を生み出している当事者たちが制限を求めている今、各国に傍観している余裕はありません。

舵を切り直すとしたら今年です。

各国は、国連総会や特定通常兵器使用禁止制限条約の政府専門家会合を通じて重要な基盤を築いてきました。人間による判断と制御がどの程度必要なのか、また、国際人道法の遵守を徹底し倫理的な懸念に対応しながら人間の苦しみを減らすには何が必要なのか。これらについては、共通理解に向けた大きな進展も見られています。

各国は政治的な勇気を示し、少しずつ議論を積み重ねていくだけでなく、確固たる行動へと進まなければなりません。自律型兵器システムを規制するため、明確な禁止事項と規制を示す法的拘束力のある文書の採択に向けた交渉を今すぐ始める必要があります。迅速かつ断固とした行動を取らなければ、多くの命が失われることになります。そして、将来の世代は、自律型兵器に対する明確な禁止や規制がされないまま、国際人道法が保障しようとしている人びとの保護が損なわれる行為への扉が開かれた世界を引き継ぐことになります。それは、ルール違反や過失について誰に責任があるのかを特定することが難しくなり、説明責任の所在がますます曖昧になる世界でもあります。

各国には、今日の紛争ですでに苦しんでいる人びとと、今まさに形づくられているこの世界を受け継ぐ未来の世代に対する責任があります。未来の世代は、兵器が際限なく拡散される前になぜ規制を設けなかったのか、指導者たちの行動を問うことになるでしょう。11月に開催される特定通常兵器使用禁止制限条約第7回運用検討会議は、各国が法的拘束力のある国際文書の採択に向けて交渉に移ることを決定するための絶好の機会です。過去3年間にわたって積み重ねられてきた地道な取り組みは、交渉を開始するための理想的な基盤であり、無駄にしてはならないのです。

私たちは各国に対して、今この時を逃さないよう強く求めます。

戦争をより容易におこなえる兵器システムを開発し続けることは、より平和な世界に向けた私たちの共同の取り組みを損なうだけです。

進むべき道は明らかです。緊急で行動する必要があります。イノベーションは、人類のために役立つものであるべきであり、危険にさらすものであってはなりません。

英語原文はこちら