6月6日公開!「戦争と生きる力プログラム」:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2023
米国アカデミー賞が公認する国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)で毎年上映される「戦争と生きる力プログラムsupported by 赤十字」。今年は、上映が6月6日(火)からスタートします。
ドラマやアニメーション作品など、世界各地から届いた選りすぐりの短編映画6作品と、ICRC制作の2作品を合わせて、計8作品を上映します。オンライン会場は、6月6日(土)~26日(月)まで公開されるのに加え、今年は6月22日(木)20:00~21:50に表参道ヒルズ・スペースオーでも上映します。また、6月22日(木)の上映会には、【希望のかけ橋】を制作した吉田監督も参加し、質疑応答も行う予定です。
なお、【希望のかけ橋】は、オンラインでの視聴ができませんので、ぜひ会場へお越しください。また、【登録番号60427】と【希望のマーク】はオンラインのみの上映となり、会場では上映されませんので、オンラインでご鑑賞ください。
※2023年6月27日追記※
「希望のかけ橋/The Bridge」がジョージ・ルーカス アワード(グランプリ)アニメーション部門優秀賞を受賞したことにより、7月10日(月)までオンラインで視聴できるようになりました。ご視聴はこちらから:https://www.shortshortsonline.org/videos/the-bridge-1
【オンライン上映期間】2023年6月6日(火)~26日(月)
※視聴リンク(無料):https://shortshorts.org/2023/program/program_cat/wp/
【表参道ヒルズ スペース オーでの無料上映について】
※チケットの申し込み:https://shortshorts2023spaceo0622.peatix.com/
今年もSNSでICRC駐日代表部のスタッフによるレビューをご紹介します。是非チェックしてみてください!
※ICRC駐日代表部ツイッター:https://twitter.com/ICRC_jp
※ICRC駐日代表部フェイスブック:https://www.facebook.com/ICRC.jp/
鑑賞された後の皆さんのご意見、ご感想もお待ちしています。奮って上記SNSのコメント欄にメッセージをお寄せください。
作品紹介
【ハリネズミ】※オンライン・会場共に視聴可
アメリカ/ドラマ/2022
ウクライナで戦争が始まり、6歳のニーナは祖母が住む田舎の村に預けられる。庭先の小屋で、ニーナは重傷を負ったロシア兵を見つける。
ICRC駐日代表部スタッフ レビュー
なぜ人々は戦争をするのか。なぜ殺し合うのか。愛国心?復讐?それとも正当防衛? 昨今、メディアの多様化やポピュリズムの台頭などにより、世界の分断はますます進んでいる。紛争当事者は、両者が正義を主張し、紛争に関わる者は自分の正義を信じ、それ以外を拒絶する。正義という大義は、他者の生命まで奪う権利まで付与し得るのか。本来人間が持つ慈悲をも踏みにじってまで、貫き通すべきものなのか。 本作品は17分という短い作品ながらも、ヒューマニティ(人類愛)について考えさせられる作品。今まさに行われているロシア・ウクライナ紛争を題材にしているだけに、ぜひ観て頂きたい。
【希望のかけ橋】※リアル会場限定(オンライン配信なし)
ポーランド/アニメーション/2022
ポーランドと日本の絆を深めた 1920年の出来事を映画化。 家族を失い、人生を生き抜くために自立を迫られる孤児の歴史を、10歳の少年の視点から語っている。
日本赤十字社スタッフ レビュー
今から100年以上前の1920(大正9)年。ロシア革命の混乱で親を失ったポーランド人の子どもたちがシベリアにとり残されました。ポーランド人の有志が孤児の帰国に努力しましたが、うまくいかず、日本に協力を依頼。日本政府の要請を受けた日本赤十字社は、孤児の受け入れを開始しました。本作品は、今となっては知られざるこのエピソードを、孤児となった子どもたちの目線で人形劇にしたものです。ポーランドは現在、ウクライナ難民の最大の受入国となっています。その意味で本作品は、時空をこえて子どもたちの苦しみとこれを「救いたい」と思う人々が常にいたこと。その思いの「架け橋」が、今の人道支援にもつながっていることを教えてくれます。
【いつの時代も・・・】※オンライン・会場共に視聴可
キルギス/ドラマ/ファンタジー/2022
戦場で兵士が銃弾に倒れ、意識を失う。目を覚ますと、そこには4人の猛者が。石器時代、中世、第一次大戦、第二次大戦を戦ってきたという。
ICRC駐日代表部スタッフ レビュー
いったいなぜ、人は戦争をし続けるのか――。人間の愚かさを、過去の数々の戦争で戦死していった兵士達の精霊とともに冷笑するシニカルな作品。戦争で犠牲となった人々の死の意味は?彼らの死が本当に平和をもたらしたのか?人間は狩猟時代からちっとも進化していないのかもしれない、という疑問を残す。人類は、この過ちの繰り返しから抜け出すことは出来ないのだろうか、と考えさせる作品である。
【緩衝地帯】※オンライン・会場共に視聴可
イギリス/キプロス/ロマンス/2022
二人の若き兵士が敵味方の立場を越えて恋に落ち、音楽を通じて過酷な状況から逃避する。
ICRC駐日代表部スタッフ レビュー
キプロスを分断する緩衝地帯の反対側で勤務するため、いじめを受けていたギリシャ人とトルコ人の2人の新兵の絆を描いた感動作です。この映画は、2人の若者の気持ちを探り、彼らが直面する困難と、それに対処するためのさまざまな方法についての洞察を提供し、私の感情を揺さぶりました。
【夜の女神】※オンライン・会場共に視聴可
パレスチナ/アニメーション/2021
戦禍の粉塵は人々を眠りから遠ざける。それでも夜の女神は破壊された街の人々に平和と眠りをもたらす。ただ一人、まぶたを閉じようとしない女性。行方不明になった我が子を想い、悲しみに暮れるその女性の魂を救うため、女神は手を尽くす。
ICRC駐日代表部スタッフ レビュー
静寂につつまれた夜、紛争で倒壊した建物の中で過ごす夜、人々はその静寂の中で何を想いながら過ごすのだろうか。夜の女神はそんな人々を優しく包み込む。わが子を探し求め眠りにつけない女性に対しても心穏やかに眠れるように神は優しく手を差し伸べる。この映画を通じて、紛争により大切な人や住処を失った人々がどのような思いを巡らしながら一晩一晩眠りつにつくのか思いを馳せながら、紛争が人々にもたらすものが何かを考えてみてはどうだろうか。
【登録番号60427】※オンライン限定配信(リアル会場上映なし)
イスラエル/ドラマ/2022
1998年、テルアビブでの夏休み。ロイトはホロコーストに関する祖母の秘密のノートを見つける。祖母の物語はロイトの豊かな感受性と共鳴し、テルアビブでの祖父母との休日は思いもかけない方向に。実写とアニメーションの見事な組み合わせによって、監督自身のストーリーが語られる。
ICRC駐日代表部スタッフ レビュー
戦争で負った自身の傷について語ろうとしない祖母と、祖母のことをもっと知りたいと願う少女。二人の心情が複雑に絡み合い、意固地になっていく二人。戦時の凄惨な出来事を語ることの難しさをシンプルに描いた感動的な短編映画です。
【HOPE(希望~彼女の命を救えなかった理由)】※オンライン・会場共に視聴可
ドラマ/2018
赤十字国際委員会(ICRC)がHealth Care in Danger ~危機に立つ医療活動~のグローバルキャンペーンの一環で制作したショートフィルム『希望:彼女の命を救えなかった理由』。世界最大規模の広告の祭典、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルのフィルムクラフト部門でグランプリを受賞。
ICRC駐日代表部スタッフ レビュー
希望が絶望へ変化する様をつめこんだこの2分弱は、紛争のない日本で生活する私の目に大きな衝撃となって映りました。映像は、怪我を負った少女とその父親が、病院へ向かう車内の緊迫したシーンから始まります。見ているこちらも息が詰まるような状況の中、やっとのことで病院にたどり着いた時、私の心には希望の光が顔を出しました。しかし、少女の父親が車から降り、顔をあげた先に実際に見たものとは―。紛争下を生きる人々が経験する、希望が絶望へ変わる耐え難い瞬間を描いた作品となっています。紛争を経験していない人々にこそ、見ていただきたい作品です。
【希望のマーク】※オンライン限定配信(リアル会場上映なし)
赤十字マークの正しい意味を知っていますか?そもそもこのマークは「攻撃してはならない」という意味を持ちます。赤十字が中立な人道支援組織として、現場で円滑な活動ができ、たどり着くべき人にたどり着くためにも、このマークは「安心、信頼、希望」のマークとして正しく使われることが大切です。一般の方が、赤十字マークをむやみに使用してはならない理由もここにあります。有事の際に一般市民を守り、助けるマークの意味を平時から知っておくことで、救えるたくさんの命があるのです。