シリア:人道支援物資を運ぶ車列への攻撃は、人類そのものへの攻撃
9月20日付共同リリース:
赤十字国際委員会
国際赤十字・赤新月社連盟
シリア・アラブ赤新月社
赤十字運動(正式名称:国際赤十字・赤新月運動)を構成する、シリア・アラブ赤新月社(SARC)、赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は、シリア北部アレッポ近郊のウレムクブラにあったSARCの倉庫と物資を積んだ車輛への攻撃に対し、強い憤りを表明します。
この攻撃で、20名近くの市民とSARC職員1名が命を奪われました。物資をトラックから降ろす作業中の出来事で、数千人に行き渡るはずだった食料や医療品はほぼ台無しとなり、支援を心待ちにしていた人たちのニーズを埋めることが不可能となりました。
今回の空爆を受けた赤十字運動3機関のトップのコメントです。
「これほど多くの人の死に直面し、私たちは打ちのめされています。SARCの副支部で局長を務めるオマール・バラカットも命を落としました。シリアの人々の苦しみを和らげたいという強い使命のもと、現場の同僚と休む間もなく活動していました。止まない戦闘の代償を私たちの職員やボランティアが払い続ける事態に、これ以上我慢ができません」(SARC/アブドゥルラーマン・アッタール社長)
「私たちが知る限り、19日の攻撃は紛れもない国際人道法違反で、言語道断です。人道支援に携わる人や関連施設・設備が保護され、尊重されなければ、国内での支援活動に大きな影を落とします。命を繋ぐために必要な物資を、何百万という人々から奪うことになるのです」(ICRC/ペーター・マウラー総裁)
「赤十字と赤新月は、シリアで命を落とした人々に哀悼の意を表します。私たちはシリア・アラブ赤新月社と心を一つにし、人道支援従事者やボランティアが確実に守られるよう、国際社会に対して訴えます。私たちは紛争の当事者ではありません」(IFRC/近衞忠煇会長)
人道支援に携わる者にとって、紛争の続くシリアは世界で最も危険な場所の一つとなりました。過去6年間で、人道の使命を果たすべく活動していたSARCの職員やボランティア計54名が命を落としています。
人道支援活動に携わる者の身を守り、国際人道法で謳われている戦争のルールにきちんと従うこと。このことをもう一度、紛争の全当事者に対して赤十字運動は要求します。
原文は、本部ウェブサイト(英語)をご覧ください。