イエメン: 被拘束者290人の釈放の円滑な実施を支援

プレスリリース
2019.10.04

ICRC – ニュースリリースNo. 21
2019年9月30日

 9月に空爆されたダマルの収容所で生き残った42人を含む被拘束者290人が、9月30日に釈放された様子

 

ジュネーブ/サナア (ICRC) – 9月に空爆されたダマルの収容所で生き残った42人を含む被拘束者290人が、9月30日に釈放されました。囚人問題国内委員会の要請を受け、赤十字国際委員会 (ICRC) と国連が協力して釈放の実現を手助けしました。

 

ジュネーブ/サナア (ICRC) – 9月に空爆されたダマルの収容所で生き残った42人を含む被拘束者290人が、9月30日に釈放されました。囚人問題国内委員会の要請を受け、赤十字国際委員会 (ICRC) と国連が協力して釈放の実現を手助けしました。

 

「私たちは、紛争当事者からの要請があれば、中立な立場で釈放が円滑に実施されるようサポート役を引き受ける用意があります。このオペレーションがきっかけとなってさらなる釈放が実現し、再会を待ちわびる家族に安心してもらうことが私たちの願いです。」と、ICRC イエメン代表部のフランツ・ラウヒェンシュタイン首席代表は述べました。

 

今回のオペレーションでのICRCの役割は、釈放の見込みがある被拘束者の身元を確認することから始まり、イエメン首都のサナアから直接故郷に戻りたいか、あるいはもう一方の勢力が支配する地域に移送されることを望むのか、本人の意思を確認することでした。ICRCは、被拘束者が釈放後に故郷に戻るための移送費用や諸経費など、金銭的サポートを提供。また、未成年の被拘束者の家族と連絡をとり、釈放の事実を明かし、必ず迎えに来るよう伝えました。

 

「すべての被拘束者と守秘義務に則って話をし、不安なことは何かをたずね、これまで家族と連絡が取れていたかを確認し、彼らの今後を追跡しなければならない場合に備えて必要な情報を収集しました」と、ICRCイエメン代表部で保護チームを統括するロバート・ジマーマンは語ります。

 

釈放に関わるどのオペレーションでも、ICRCは事前に医療スタッフを送り、被拘束者の健康状態をチェックして、帰国の旅に耐え得る体力があるかどうかを確認したうえで、一部の被拘束者に必要と思われる具体的な措置を当局に提案します。今回釈放された被拘束者のうち2人は、イエメン赤新月社の救急車で故郷へと搬送されました。

 

ICRCは、2018年12月に紛争当事者が調印したストックホルム合意に従い、紛争に関わる被拘束者の釈放、移送、帰還の再開につながるのではないかと、前向きな一歩としてこの釈放をとらえています。

 

2019年4月から8月にかけて、ICRCは中立な立場で、当時サウジアラビアで拘束されていたた未成年の被拘束者31人を、マリブ経由で、家族との再会の地サナアへ移送する手助けをしました。体調に問題のなかったサウジアラビア国籍の被拘束者一人の帰国に加え、サウジアラビアで拘束され、健康状態が芳しくなかった7人のイエメン人をサナアに返すことにも一役買いました。

 

原文は本部サイト(英語)をご覧ください。