ウクライナ:生活や経済を支える2基のダム改修へ

ウクライナ
2024.09.03

北東部ハルキウ州オスキルダム、ドネツク州ライホロドクダムを保有するウクライナ。これらのダムは、ロシア・ウクライナ間の国際的武力紛争の最前線に位置しており、深刻な被害を受けています。

1950年代に建設された2基のダムは、数百万人の地域住民の飲料水と工業用水の需要を満たしていたウクライナ東部シヴェルスキー・ドネツ・ドンバス運河に水をわたしており、重要な役割を担っていました。

しかし、2022年2月の紛争激化の結果、コミュニティへの給水が滞っただけでなく、余剰水を安全に放出するための技術的な欠陥が発生し、ダムの崩壊と洪水の危険性を高める事態となりました。

赤十字国際委員会(ICRC)は、現地の水道当局と協力し、この度2基のダムの改修を行うことになりました。ダムゲートの持ち上げ機能を改修し、損傷による残骸を撤去したほか、ダム周辺の不発弾を除去することで、公共事業労働者の負傷リスクを軽減しました。

2基のダムの改修は、紛争下の断水やダム決壊によるコミュニティの崩壊を防ぐと期待しています。

ICRCウクライナ代表部 ユルグ・エグリン代表

ダムの改修は、ICRCがウクライナで実施する支援活動の1つです。2023年、ICRCはウクライナ全土の480万人以上の人々が水、電気、暖房をはじめとする基本的なサービスにアクセスできるよう支援しました。