イスラエルおよびパレスチナ被占領地:人質3名の解放と、被拘束者90名の釈放を支援
ジュネーブ(ICRC) – 赤十字国際委員会(ICRC)は、ガザ地区からイスラエルへ人質3名を、また、イスラエルからパレスチナ被占領地へパレスチナ人被拘束者90名を移送することで、今回の解放・釈放に携わりました。
「拘束が解かれ、愛する人たちと再会できることを喜ばしく思います」と、ICRCのミリアナ・スポリアリッチ総裁は語りました。「この重要な局面で、安全な帰還を保障し、必要なケアを提供することには大きな責任が伴います。今回のICRCの関与ではっきりしたことは、当事者間の合意があれば、私たちは交戦中の双方の間に立つ中立な組織として、人命を救い、生活を変えることができるということです」。
今回の役割を果たすうえで、ICRCは複雑な状況と向き合い、関係者のリスクを最小限に抑えるために厳格な安全対策を必要としました。移送の際には、押し寄せる大衆や、人びとの高ぶる感情を制御しながら任務を全うすることが課題でした。ガザ地区にいる同僚たちは、不発弾や破壊されたインフラによる危険にも対処しなければなりませんでした。
今回のオペレーションは、人質と被拘束者を帰還させる、という当事者間で合意された複数回にわたるオペレーションの第一弾です。ICRCは中立な人道支援組織として、人質や被拘束者の安全な移送を支援します。必要に応じて、医師を含む専門スタッフによるケアも提供します。
「愛する家族の帰還を待ちわびている家族は、いまだ多くいます」と話す、スポリアリッチ総裁。「次のオペレーションも安全に実施できるよう、すべての当事者に対して、引き続き公約を守るよう私たちは呼びかけています。ICRCチームは、さらなる人質の解放と被拘束者の釈放、そして家族の再会を実現するために、合意の履行を継続する準備ができています」。
加えて、包括的な合意の一環として、緊急に必要とされている人道支援がガザ地区に届けられなければなりません。ガザ地区では、数カ月にわたり、民間人が食料や飲料水、避難場所へのアクセスに苦しんでいます。ICRCは、赤十字運動のパートナーと連携し、活動規模を大幅に拡大する準備が整っています。これには、医薬品や食料など、必要とされている救援物資の提供、また、医療、水、衛生、電気などの基本的なサービスへの支援も含まれます。
当事者は、解放・釈放のオペレーションの最中も含めて、常に国際人道法を遵守しなければなりません。民間人や医療施設、医療スタッフを保護するための配慮も徹底する必要があります。
報道関係各位:ICRCは、解放された人質や釈放された被拘束者の映像は提供していません。そうした人びとの尊厳と置かれている状況を尊重し、安全を確保するためです。報道機関の皆様におきましても、同様の対応を心よりお願い申し上げます。