移住問題:地中海沿岸諸国の赤十字社・赤新月社が人道的対応を話し合う

サンマリノ共和国
2015.05.26

 

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©Wikimedia

 

地中海沿岸諸国の赤十字社・赤新月社がサン・マリノ共和国に会し、移住に関する人道問題について話し合いました。この会議は、サン・マリノ共和国赤十字社、地中海沿岸地域協力センター、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、赤十字国際委員会(ICRC)が共催したものです。

 

会議の目的は、移住を強いられている人々ををあらゆる局面で支援する取組みを強化し、活動を調整することにあります。

 

「すべての人の基本的な人権が尊重されなくてはなりません。紛争や情勢不安が理由で避難を余儀なくされている人であればなおさらです。保護され、治療を受け、教育や基本的な社会サービスを享受する権利を確保する必要があります」とIFRC副総裁のフランチェスコ・ロッカは話します。「人としての尊厳はいついかなる時も尊重しなくてはなりません。避難している人々に不法移民のレッテルをはらないよう訴えます」。

 

「移民が苦境に立たされている現状を懸念しています。彼らの置かれている状況にもっと関心を持たなくてはなりません」とICRC副総裁であるクリスチャン・ベーリは話します。「ヨーロッパ大陸への安全なルートが危険になりつつあり、また紛争も激しくなるなか、それがどんな危険をはらもうとも、移民は残された選択肢にすがるしかないのです」。

 

各国の赤十字社・赤新月社からの参加者は、人々が国境を目指す理由には様々要因が絡んでいて、法的な立場に関わらず、彼らには人道的に対応する必要がある、と強調しました。

 

「移民にも希望を持ち、機会をつかみたいという気持ちがあって当然です。彼らには社会的、経済的、文化的な素養と経験があります。彼らのスキルや知識、忍耐力は、受け入れコミュニティにとっても有益になると思います」とロッカは述べます。

 

春と夏は地中海の気候が温暖なため、移民の数が増加します。しかし、長引く紛争が周辺地域を脅かしていることから、移民の数が急増しています。

 

地中海沿岸の赤十字社・赤新月社は、移動を強いられている人々の保護・支援のために、休むことなく活動しています。彼らは、受け入れコミュニティのニーズも考慮しつつ、高まるニーズに対応すべく力を尽くしていきます。

 

原文は、本部ウェブサイト(英語)をご覧ください。