エジプト:緊急対応チーム発足と活動について

エジプト
2013.09.06

2013年9月6日インタビュー
最近のエジプトでの武力衝突を受け、エジプト赤新月社の緊急対応チーム(は、多くの人々を避難させ、負傷した人々の治療を行いました。ICRCカイロ代表部首席代表Marianne Gasser は、当時の不安定な状況の中で、チームがいかに貢献したかについて語りました。

現在のエジプトはどのような状況ですか、また、エジプトの現状について一番懸念していることは何ですか?

7月と8月にエジプトで起こった暴動では、数百もの人が殺され、数千もの人が負傷しているのを目の当たりにし、非常に心配でした。暴動の最中懸念したのは、暴動に関わる人に人の命と尊厳を尊重してもらうことでした。重傷者の急増や、負傷した人々の医療措置の必要性についても、細心の注意を払ってきました。現在は8月中旬よりも事態は収まっていて、私たちはエジプトが更なる暴動にさらされないよう願っています。

負傷した人々にどのような支援を提供できましたか?

暴動の当時、エジプトの現場にはICRCの医療スタッフはいませんでした。しかし2011年以降、ICRCと国際赤十字・赤新月社連盟はエジプト赤新月社へ30の緊急対応チームの設立やトレーニングの支援に加えて、定期的な支援物資、応急処置用品などを提供してきました。

最近は、エジプト赤新月社に対し、追加の医療機器と物資、また暴動が勃発した地区に急行できるよう、車両5台を提供8月の暴動の際に起きた火災で被害を受けた、血液バンク、理学療法ユニットやユースセンターがあるエジプト赤十字社の建物の改修も支援しました。

緊急対応チームは、カイロ、アレクサンドリア、ポートサイドなどで起きた数え切れないデモにおいて負傷した人々にサービスを提供してきました。2011年11月以降、同チームは4000を超える負傷者に応急措置を施してきていて、うち800人は最近の暴動による負傷者でした。。エジプト赤新月社のボランティアは、時には危険な状況において、救急車の運転手や、医師、看護士や他の政府・野営病院からの医療スタッフと共に活動し、政治的傾向に関わらず、負傷者を避難させてきました。彼らの献身的で公平な活動は、とても素晴らしいものです。

ICRCは現在の状況で拘束された人々と面会していますか?

いいえ、現在私たちはエジプトの被拘束者への面会を行っていません。正確な数字はわかりませんが、公的な報告によると、ここ数週間で多くの人々が拘束されており、このことは私たちも非常に懸念しています。

ICRCが世界97カ国で行っている被拘束者への面会の目的は、人道的なものです。

被拘束者への面会の申し入れと、被拘束者が適切な状況で拘束され、人道的な扱いを受けることは、ここ数年続けてきたエジプト政府と議論を重ねてきました。

ICRCの現在と今後の優先事項は何ですか?

ここ数カ月間は、対応は適切なものだったと考えています。。今後数週間、私たちはエジプト赤新月社へさらに30以上の緊急対応チームのトレーニングの支援を行っていきます。これ以上事態が悪化しないことを願いつつも、今後のためにも、ICRCは医療機関に対し、被害者へのケアの支援を行う準備ができています。また、暫定政府との間で、今回の事件で拘束された人たちへの面会についての非公開の対話を続けていきます。

詳細な記事はICRCジュネーブ本部のサイト(英語)でご覧いただけます。