ラオス:命を救う、安全な水へのアクセス

ラオス
2016.01.02
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セコン州、フアイ・アル・ヴェンシェン村の高所にある貯水槽 © M. Nacknakhone/ICRC

 

ラオスの農村部の人々は、命を危険にさらしながら、日常生活や農業に利用する水を汲みに行きます。赤十字国際委員会(ICRC)は、この状況を改善するべく懸命に取り組んでいます。

 

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大半の村民は地下水をプラスチック製のタンクに貯蔵している。アタピュー州ポウホメ村 ©M. Nacknakhone/ICRC

 

ラオスは、爆撃を受けている一人当たりの回数が世界でも最も多いとされている国です。1964年から1973年までの戦争の間に、200万トンもの砲弾がラオスに降り注ぎ、そのうちの30パーセントが不発に終わったとされています。そのため、水汲みのために草原を横断したり、家畜を水辺へ連れて行ったりというような日常生活を営むなかで、不発弾によって命を落とす、あるいは手足を失う危険が潜んでいます。ラオスでは過去15年間で、900人以上が、不発弾によって命を落としたり負傷したといわれており、そのおよそ半分は子どもです。

 

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フアイ・アル・ヴェンシェン村でテストがなされた手汲みポンプと井戸 ©M. Nacknakhone/ICRC

 

2005年以来、ICRCはラオス赤十字社と協力して、安全な水へのアクセスの改善を支援してきました。11月には、3つの水プロジェクトがラオス南部で完了。一年中水の利用が可能となった村は3000以上に上ります。

 

アタピュー州の深刻な被害を受けた地域では、新しい井戸が建設されたことで、命が危険にさらされるような場所を通らなくても、水にアクセスすることが可能になりました。

 

落成式において、ICRCのエンジニアであるエリック・ヴァイセンは、「人々は、何マイルも歩く必要がなく、命の危険を冒してまで水を汲みにいかなくてもよくなった状況に安堵しています。さらに、農民は乾季でも農作物を育てることができるため、収入が増え、家畜に餌をやれるようになりました」と話します。

 

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セコン州フアイ・アル・ヴェンシェン村で行われた落成式に参加した村民 ©M. Nacknakhone/ICRC

 

セコン州のある村でも、深さ60メートルの井戸の落成が祝われました。式典である村民が、「容易に手の届く範囲に水源ができ、不発弾や地雷を踏むことを心配しなくてよくなり、喜んでいます」と語ります。

 

井戸は、ICRCの財政支援と環境医学・給水国家センター(NAM SAAT)並びにラオス赤十字社セコン支部の支援を受けて、地元の建築業者が建設。

 

アタピュー州とセコン州の2つのプロジェクト開始に先立ち、ラオス全国不発弾プログラム(UXOLAO)が地雷と不発弾を井戸の建設予定地から一掃しました。

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タテンダムプロジェクトによって水が引かれた水田。セコン州タテン村© M. Nacknakhone/ICRC

 

私たちの支援は、井戸の建設だけにとどまりません。セコン州ではラオス赤十字社の支部と協力して、700メートルの溝を掘る地元建設業者を雇い、地域の農業公社がダム建設に従事できるよう支援しています。

 

私たちはラオス北部でも活動を展開しています。例えば、患者と職員に安全な水を供給するために、ルアンプラバン病院での給水設備の改善とフィルターの導入を検討しています。

 

原文は本部サイト(英語)をご覧ください。