フィジー:フィジー赤十字社と協力してサイクロンにより離散した家族間の連絡回復を支援

フィジー
2016.03.11
ナイタシリ州のナイルクルク村。フィジー赤十字社の衛星電話を使い、姉妹の無事を確認し自らの安否を伝えるMesake Lacarua CC BY-NC-ND / ICRC / S. Marsac

ナイタシリ州のナイルクルク村。フィジー赤十字社の衛星電話を使い、姉妹の無事を確認し自らの安否を伝えるMesake Lacarua CC BY-NC-ND / ICRC / S. Marsac

 

2月20ー21日にフィジーを直撃したサイクロン(熱帯低気圧)「ウィンストン」は、南半球で観測史上最も凄まじい規模のものとなりました。上陸時は時速298キロメートルを観測し、43人の命を奪うとともにフィジーに史上最悪の爪跡を残しました。

 

離島に暮らす人々は家を追われホームレスとなり、数千もの人々が避難センターに避難しました。

 

島々の電気と通信も被害を受けたため、離ればなれとなってしまった家族との連絡が困難な状況にあります。フィジーに住んでいた人々は家族と連絡が取れず、観光客の家族も必死にコンタクトを試みていました。

 

様々な状況に対応できるよう訓練をしてきたフィジー赤十字社(FRCS)のボランティア及び職員は、被災地域を支援しています。離ればなれの家族が連絡を取り合えるようにする必要があると認識していた国家災害管理局(NDMO)は、FRCSに離散家族支援(RFL)を主導するよう依頼。

 

災害や紛争などで行方不明となった人々の情報を発信するウェブサイトには、サイクロン「ウィンストン」に関する特設ページが設けられ、人々は自らの安否や行方不明となった親族の情報を登録することができるようになりました。また、FRCSはホットラインも開設。3月9日時点で、40人がウェブサイトに登録またはFRCSに家族の捜索を依頼し、3人の安全が確認されました。

 

赤十字国際委員会(ICRC)は、FRCSの評価・対応チーム内でRFLに関する啓発を行うとともに、と各国赤十字・赤新月社が行うRFL事業を支援しています。

 

ナイタシリ州のナイルクルク村。Mesake Lacaruaと家族は、サイクロン「ウィンストン」がフィジー最大の島ビティレブ島を直撃してからというもの、姉妹と連絡を取れずにいた CC BY-NC-ND / ICRC / S. Marsac

ナイタシリ州のナイルクルク村。Mesake Lacaruaと家族は、サイクロン「ウィンストン」がフィジー最大の島ビティレブ島を直撃してからというもの、姉妹と連絡を取れずにいた CC BY-NC-ND / ICRC / S. Marsac

 

「ウィンストン」がフィジーを直撃して以降、家族との連絡再開を果たしたのは16人に上ります。ナイタシリ州のナイルクルク村に住むMesake Lacaruaもそのうちの1人です。FRCSとICRCのチームがMasakeに出会ったとき、ビティレブ島にサイクロンが直撃したために、西部のラウトカに住む姉妹と連絡が取れずにいました。彼の携帯は使える状態でしたが、充電する電気もなければ通信ネットワークも遮断されていたからです。FRCSが貸与した衛星電話で姉妹に連絡を取ることができたMasakeは喜びに溢れていました。

 

原文は本部サイト(英語)でご覧ください。