アフガニスタンの車いすバスケットボールチーム:勇気と闘志にあふれ、目標に向かってまっしぐら
アジアパラ競技大会2018に向けて
スポーツは人々に「平等」の機会を与えます。人々を力づけるだけではなく、スポーツ選手たちを変化の担い手に変えます。スポーツを通じて、障害のある人たちが社会で生きていくために欠かせないスキルを得たり、独立心を与え、真のヒーローとして評価されたりするようになります。これら全てに共鳴するのが、女子車いすバスケットボールのアフガニスタン代表チームのエネルギッシュなメンバーです。
この熱い女子選手たちは、3月にタイで開かれた予選大会を勝ち抜き、インドネシアのジャカルタで開かれるアジアパラ競技大会2018への出場権を獲得しました。海外に遠征するのも、アフガニスタンの代表になるのも、これが初めての選手も何人かいます。
チーム全員が優勝することを目指しています。今日に辿り着くまでに苦労してきた選手たちは、アフガニスタンが世界に見せる側面も見てもらいたいと感じています。それは、スポーツは、紛争や陰鬱さを勝るということです。
ICRCがアフガニスタンに車いすバスケットボールを紹介して約8年。この期間で約400人が試合に携わり、現在ではアフガニスタン国内のさまざまなチームの代表となって、競技しています。「選手たちはバスケットボールをやり始めると、大きな自信を持つようになります」とICRCの障がい者スポーツ、社会的包括プログラムのアドバイザーを務めるジェス・マルクトは言います。
【ソマヤ・ノリさん 19歳】13年前、ソマヤさんは登校中に地雷を踏み、右足を失いました。「ICRCプログラムの知名度を上げて、他の人が戦争の被害者にならないようにしたいのです。」昨年、彼女はインドネシアのバリ・カップで、ベストプレーヤー賞に選ばれました ©R. Musawi/ICRC
ファルザナ・モハマディさん 26歳】何十年にもわたる紛争は、アフガニスタンの人々から、最も基本的な医療へのアクセスまで奪いました。ファルザナさんの家族は、彼女にポリオのワクチンを打ってあげらなかったため、ファルザナさんは2歳の時から足に麻痺が残っています ©R. Musawi/ICRC
【ニロファ・バヤーさん 25歳】ニロファさんはチームのキャプテンで、カブールにあるICRCの身体リハビリテーション・センターで働いています。世界の人たち、戦争と暴力から解き放たれたアフガニスタンの側面を見てもらいたいと思っています ©R. Musawi/ICRC
【サレハ・ハイデアさん 24歳】サレハさんにとっては初の海外遠征試合。家族のサポートに励まされ、この若い選手は、勝利することを確信しています。「人がどう思うかは気にしません。私は自分の将来に希望を持っています。」 ©R. Musawi/ICRC
【ナディア・パイハムさん 24歳】ナディアさんは車いすバスケットボールの選手になって6年目。「アジアパラ競技大会2018はわくわくしますが、緊張もしています。他のチームは、より設備の整った施設や環境下で練習しているので」 ©R. Musawi/ICRC
【サレハ・ネカーさん 25歳】サレハさんはバスケットボールのコート上ではディフェンスが担当ですが、専門はそれだけではありません。弁護士を目指して修行中です。最近、ヘラト大学法学部の最終学期の履修が始まりました ©R. Musawi/ICRC
【カミラ・ラヒミさん 24歳】スポーツは力を与えてくれます。カミラさんの一言は直球ストライク。「バスケットボールは字自分が抱える障がいを忘れさせてくれます。人は誰しもが平等で、自分は強い女性だ、と思わせてくれます」 ©R. Musawi/ICRC
【シャバナ・アクバリさん 19歳】「戦争と争いがアフガニスタンの全てに影響しました。そのことにアフガニスタン社会はとても敏感です。そんな中、国の代表になれることは、私たちにとって大きな成果です。」シャバナさんはアフガニスタンへ優勝杯を持ち帰りたいと思っています ©R. Musawi/ICRC
【ムルカラ・ラヒミさん 30歳】「アフガニスタンは、障がい者にとって暮らしにくいかもしれません。若い時には、度々、非難や嘲笑を受けたのを覚えています。」ムルカラさんは理学療法士としてICRCで働いています。現在、彼女は自分が過去に直面した同じ問題に立ち向かっている人たちを助けています ©R. Musawi /ICRC
【フリシュタ・ムセリさん 23歳】フリシュタさんはアフガニスタン北部、マザリシャリフの出身です。今回が四回目の海外遠征になります。現在、チームメイトのムルカラさんのように、理学療法士になるために勉強中です ©R. Musawi /ICRC
【ジャミラ・アフマディさん 19歳】ジャミラさんはポリオ患者ですが、だからと言って、試合に向けた厳しい練習を止める要因にはなりません。10代で高校生の彼女は、自由時間に刺繍をするのが大好きです ©R. Musawi/ICRC