ホロコーストの悲劇から80年:記憶を継承し、人間の尊厳を守り続ける

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ジュネーブ(ICRC)― 人類の歴史において最も凄惨な出来事の一つとして記憶されているホロコースト。あれから80年、私たちは改めて、殺害されたユダヤ人の老若男女600万人と、迫害を受けたり命を奪われたりしたその他何百万の人びとに哀悼の意を表します。
このような悲劇を二度と繰り返さないという決意が集結して、戦争やジェノサイドの灰燼からジュネーブ諸条約は生まれました。条約の原則は、単なる抽象的な理想ではなく、人類がもつ最も悪意のある衝動から守る防波堤の役割を果たします。
しかし、歴史を振り返れば、記憶が褪せることで私たちの警戒心が薄れることも事実です。このような予防措置をなぜ設けざるを得なかったのか、そのことを忘れて条約を守らなくなれば、過去の過ちが繰り返される危険があります。相手を同じ人間として見ないことで、こうした暴力行為は起こりがちです。相手から人間性を奪ってしまえば、自分たちの残虐な行為を正当化しやすくなり、非道に歯止めがかかりにくくなります。
世界中でさまざまな紛争が激化し、民間人が攻撃の標的となるケースが後を絶たない今の時代、ホロコーストの教訓は、犠牲者の追悼にとどまらない行動を私たちに求めているのではないでしょうか。私たちが得た教訓とは、憎悪の感情に断固として立ち向かい、人間一人ひとりの尊厳を守り、戦火に取り込まれた人びとの生命を守らんとする法律に従うことです。
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