117人の被拘束者がサウジからイエメンに帰還
赤十字国際委員会(ICRC)は6日、サウジアラビアで拘束されていた117人の解放を受けて、現地の連合軍統合司令部の要請により、イエメンへの帰還を支援しました。
イエメン(ICRC)―ICRCは、武力紛争下における人道上の使命に基づいて、連合軍が独断で実施した被拘束者の解放を支援することに同意しました。
愛する人の帰りを待つ家族のためにも、第一に人道上の配慮が行われたことは喜ばしいことです。被拘束者やその家族を含め、7年以上紛争下に置かれている多くのイエメン人の苦しみを和らげることが重要です。
ICRCイエメン代表部カタリーナ・リッツ首席代表
母国帰還に先立ち、ICRCはサウジアラビアにある連合軍の収容施設で、被拘束者と1対1の事前面談を実施。身元を確認すると共に、今回解放が許された全員がイエメンへの帰還を希望していることを確認しました。また、ICRCの医療スタッフが被拘束者の健康状態を確認し、全員が渡航に適していると判断。その上で、私たちは移送の行程を管理・監督し、医療上の必要性や緊急事態があれば対応するべく、被拘束者のイエメン帰還に同行しました。
クウェートで湾岸協力理事会(GCC)を管轄するICRC地域代表部のオマル・オデ首席代表は、「一歩前進しました。重要な人道上の意思表示でもあります」と語ります。「紛争に関連して拘束されたすべての人の解放と移送、帰還において、ICRCが自らの役割を果たし、貢献する準備はできています。数年来離ればなれになっている家族とも再会できるでしょう」。
赤十字運動のパートナーであるサウジアラビア赤新月社とイエメン赤新月社は、帰還者の出入国に際して、ボランティアや救急スタッフを動員して支援にあたるなど、重要な役割を担いました。拘束を解かれた人々が無事帰国を果たした後は、自宅に戻るための追加の支援なども行いました。
今回の解放については、イエメン紛争の当事者による停戦合意から2カ月を待たずして、連合軍が単独で発表しました。連合軍はそれ以前に、ICRCの関与なしに37人を解放しています。その時も私たちは、人道上の使命に基づいてフォローすべく、必要な情報を詳細にわたり受け取りました。
ICRCは、イエメンで60年以上活動を続けています。また、サウジアラビアでの6年を含め、湾岸協力理事会加盟諸国では30年以上活動しています。紛争下における国際人道法の尊重を促すことに加えて、援助を必要とするコミュニティーに人道的見地から寄り添っています。