レバノン:緊急支援を実施

レバノン
2024.10.09

支援物資を配付するICRC職員

レバノンでは、最近の情勢悪化により、民間人の死傷者が増加しています。多くの家族が着の身着のまま避難することを強いられている状況です。避難民の多くが、食料や住居、清潔な水や医療を求める上で、計り知れない困難に直面しています。

赤十字国際委員会(ICRC)は紛争の当事者に対し、国際人道法を遵守すること、民間人とインフラなどの民用物を保護することを緊急に訴えています。それと同時に、ICRCは、情勢悪化を受け、支援を必要とする人びとに寄り添う活動も実施しています。

2024年9月レバノンでのICRC活動実績:

治療に欠かせない医薬品の運搬

5カ所の救急医療センターに対し、100名の重篤患者を治療するのに十分な医薬品の提供を行いました。また、サイダ国立病院には、減少している在庫を補充するため、麻酔用医薬品と医療衣を提供しました。

プライマリー・ヘルスケアに必要なリソース確保

6カ所のプライマリー・ヘルスケアセンターに医薬品・医療品を提供し、これにより急性および慢性疾患の患者が切実に必要とする治療を受けることができました。

避難民へのライフライン支援

国内避難民180世帯に毛布とマットレスを配付しました。

支援を必要とするコミュニティを支援

南部ティールの400世帯に、生活必需品と衛生用品を配付しました。

こころのケアを行う施設を運営する準備

レバノン保健省と協力し、ラフィク・ハリリ大学病院内にこころのケアを行う拠点の設置に取り組んでいます。


私たちは引き続き、武力紛争およびその他の暴力の影響を受けている人びとに寄り添いつつ、紛争当事者には国際人道法が尊重されるよう尽力していきます。今後は支援を必要とする医療施設に医療物資を提供し、紛争の影響を受けた家族には現金、食料や日用品を提供する予定です。また、レバノン赤十字と協力し、避難所にいる人びとにも支援を届ける予定です。

昨今の情勢悪化は、既にレバノンとその周辺地域に住むコミュニティに深い苦しみをもたらしています。緊張が高まり続ける中、地域紛争の脅威が迫り、既に紛争の影響を受けている人びとをさらなる危険に追い込む可能性ががあります。