国際女性デー:紛争下で自立を目指す女性たち
過去13年にわたる紛争の間、シリアの女性たちの生活は苦労、避難、喪失、苦痛に満ちていました。悲惨な状況の中、ある女性たちは、自らの才能を見事に発揮し、困難に打ち勝ちました。彼女たちは、次世代のシリアの少女や女性たちに素晴らしい手本を見せています。夢を抱いている人々の先頭に立ち、意志のあるところに道は開け、困難の状況下でもチャンスはあるのだと示しています。
2024年の国際女性デーを記念して、シリアやイラク、カンボジアの厳しい環境の中で自らを奮い立たせ、日々を懸命に生きる女性たちを紹介します。
シリア①:ナジャは、紛争による数年間の避難生活の後、愛する故郷であるイドリブ県ハーン・シェイコンに戻りました。ファッションデザインナーとして、コミュニティーの中で再び自分の居場所を築こうと決意しました。彼女は、ワークショップを企画し、デザインの技術と知識を10人の女性たちに教えはじめました。それにより、教え子の女性は、収入を得られただけでなく、自立心と生きがいも感じられるようになりました。
シリア②:ビジネスウーマンだったナドワは、北東部ハサケでミニマーケットを開いた直後から、既成概念にとらわれない考えを持ち始めました。自分のビジネスを拡大し、コミュニティの需要に合ったより多くの商品を販売することを目標に日々を生き抜いています。
シリア③:ダマスカスのマルジ・アル・スルタンに住むナジャは、ある日、自分の住んでいる地域を探索していると、スパイス・ショップがあまりないことに気づきました。現在、ナジャは彼女のお店である「ダマスクローズ」を通して、さまざまなハーブやスパイスを村や周辺の村で販売しています。より多くの地域をカバーするため、ナジャはビジネスの拡大に取り組んでいます。
シリア④:シリア南西部クネイトラのハディヤは、夫の死後も家族の世話をしながら、夫の事業である養蜂を一人で続けています。困難に立ち向かいながらも、ハチミツと蜜蝋をおこない、3人の子どもたちを育てています。
イラク①:イラクのクルディスタン地方アルビール出身のチャワンは、3歳のときから障がいと向き合い、幾度も手術や治療を受けてきました。コンピューター・サイエンスの学位を取得していたにもかかわらず、この分野で就職先を見つけることが難しかったため、24歳のとき、ロールモデルである姉のヘロと一緒に料理のビジネスを立ち上げました。「子供の頃から料理が好きで、14歳年上の姉から多くのインスピレーションを受けました。姉は私を含め多くの人に料理を教え、優秀なシェフを育てています。姉にとても感謝しています」。
イラク②:姉妹の手作りの料理は、学校、幼稚園、病院、または結婚式、誕生日、ベビーシャワーなどの社交の場で食事を提供されました。その後、妹チャワンは、私立学校でシェフとして働き、4年間で850人以上の生徒のために食事を作りました。
イラク③:2023年の10月頃、チャワンはICRCがアルビールで運営する身体リハビリ施設にあるカフェテリアのシェフになりました。それがきっかけになり、チャワンは調理師免許を取得。配食サービスを通じてより多くの人々にサービスを提供できるようになりました。
カンボジア①:カンボジアの女子車椅子バスケットボールチームは、バッタンバン州とコンポンスプー州のメンバーで構成されています。メンバーの中には武力紛争が終結した後、地雷で手足を失い、人生が大きく変わってしまった人もいます。
カンボジア②:チームは、ICRCのソーシャル・インクルージョン・プロジェクトの一環として2012年7月に結成されました。障がいを持つ人々に力を与え、より質の高い生活を実現し、尊厳をもって地域社会に溶け込めるようにすることを目指しています。
カンボジア③:チームは今年、パラリンピックの決勝ラウンドに進めませんでしたが、多くのメンバーが、自分たちの目標はすでに達成されたと考えています。「私たちは、障がい者が他の人と同じように何でもでき、社会の負担ではないことを示すために来ました」と、バッタンバン州チームのキャプテン、シエン・ソクチャンは語りました。