イラク:バシカに戻る人々と彼らの日常

イラク
2018.05.10

イラク北部にある都市、モスルの北東部に位置するバシカは長年の戦闘により大きな被害を被りました。

2014年以来、ほとんどの住人が避難を強いられてきました。モスルでの戦闘が終結し、やっと故郷に戻り、新たな生活を始めています。帰還にあたり彼らに突きつけられた最大の課題は、生計を立てるための資金源を探すことでした。耕作地の木々は戦闘中に燃やされ、工場は破壊されています。現地の人々への人道支援でさえもまばらです。

赤十字国際委員会(ICRC)は、この地域の農業を支援する将来的なプロジェクトに取り組んでいるほか、できる限り多くの食料支援や生活必需品を提供しています。

アスマーン、マヤ、ジュリーの3人は家族です。彼女たちは一緒に避難して、2017年初めに家に戻ってきました。避難所で過ごした日々や、長年の避難生活の間抱き続けていた安全で安心できる場所に戻るという夢について語ります。今日、彼らはバシカにある自宅で安全に暮らしています ©Ibrahim Adnan Sherkhan/ICRC

多くの子どもたちが、幼い時にバシカを後にしました。家から遠く離れた場所で生まれた子どももいます。今日、170人以上の子どもが地域に1つしかない幼稚園に通い、戦闘や避難とは無縁の普通の生活を送り始めています ©Ibrahim Adnan Sherkhan/ICRC

サフワンは故郷を離れていた間、日数を数えていました。3年後、故郷に戻ると自分の店が無傷で残っていることを見つけ、嬉しくなりました。彼はシリアとトルコから輸入したウェディングドレスを売るビジネスを再開しようと決心。「ウェディングドレスを一着一着売るたびに、人生は前進している、私たちは喜んでもいいんだという確信が深まっていく」と話します  ©Ibrahim Adnan Sherkhan/ICRC

避難所で何年間も苦しんだ後、ハサンとハヤットは2017年9月にバシカに戻りました。彼らの自宅は大きな被害を受けていませんでしたが、街が荒廃しているのを見てとても悲しみました。ハサンは自宅でコーヒーを販売して生計を立てています。他の何千もの人々と同じように、家族を養うために生活を立て直す機会を探しています ©Ibrahim Adnan Sherkhan/ICRC

「夫はバシカの家を離れたくありませんでしたが、私たちは避難せざるを得なかったのです。今や街に戻り、目にするのは完全に破壊された自宅です」とエザは話します。現在、エザと彼女の夫は借家に住み、戦争で破壊された家を再建しようと計画しています。彼らは、とても愛着のあった家を失くしたことに苦しんでいます  ©Ibrahim Adnan Sherkhan/ICRC