シリア難民が暮らすヨルダン北部の水不足対策 — 揚水ポンプ場落成式に日本大使も出席
4月30日、水不足に悩むヨルダン北部のイルビド県バニキナナ地区の二ヵ所で、揚水ポンプ場の落成式が行われました。
そもそも水源が乏しく、水の絶対量が少ないヨルダンに、シリア紛争で行き場を失った人々が押し寄せたことで、水問題の解消は喫緊の課題の一つ。限られた資源を地元住民と避難民とで分け合わなければならず、ICRCも2014年以来、ヨルダン当局や地元の水道会社と一緒にインフラ整備を手掛けてきました。
日本政府も、そうした私たちの取り組みを支えてくれています。2017年以降、ICRCヨルダン代表部を通じて現地の人道ニーズを埋めるために尽力。今年も給水事業などの活動を支援するため、90万米ドル(約9,900万円)が拠出されました。
この日、二年連続でICRCの揚水ポンプ場の落成式に出席した柳秀直駐ヨルダン大使は、「この事業によって遠隔の村にも水が行き届き、人々がその恩恵に授かることを願ってやみません」と式辞の中で述べました。
これを受けて、ICRCヨルダン代表部のジュルグ・モンタニ首席代表は、日本との戦略的パートナーシップに触れ、「紛争で犠牲を強いられた人々が生きていくうえで必要な支援を行えているのは、日本のような国が貢献してくれているからです」と改めて謝意を表明しました。
ICRCはこれまで、ヨルダン当局とともに、水不足への持続可能な解決策を模索してきました。これまで手掛けた30件以上の水にまつわるプロジェクトで、ヨルダン人やシリア難民あわせて100万を超える人々が安全な水を確保できるようになりました。