最新映像:看過できないマリ中部の治安悪化
二週間前の三月末に武装グループの襲撃を受けたマリ中部モプティ州のオゴサグ村。公式発表では、死者は161人を超えました。
事件は日本でも焼き討ちにあった村の映像とともに報道されていましたが、現地の様子はまさにこの世の終わりを思わせるようなものだったといいます。
生存者はあまりにも凄惨なシーンを目の当たりにしたことで、多くが精神的なダメージを受けています。
村は焼き尽くされ、かろうじて残されている家の壁には銃弾が埋まったまま。車やロバの焼きただれた残骸は放置され、家畜は連れ去られていきました。襲撃時に殺害された人は次々と井戸に放り込まれ、住民は愛する人々だけでなく、大切な水源も失いました。「逃げる間もありませんでした。逃げようとした人は撃たれてしまい、弾丸は私の肩もかすめていきました」と17歳の少女は当時を振り返ります。
3月31日、ICRCは地元のマリ赤十字社とともに1,500人を超える人々に食料支援を実施。マリ赤十字社は、負傷者を州内の病院に移送しました。ICRCは、心のケアを担当するスタッフを直ちに現地に送り、心的外傷を負った人々をサポートしています。
「トラウマは、涙や悲しみという形で表に出てきますが、それだけではありません。頭痛がしたり、眠れなくなったり、食欲がなくなったり、体にも変調が見て取れるのです」。
オゴサグ村の事件は決して看過できるものではありません。マリ中部の治安の悪化と、民族間の緊張の高まりを物語っています。そのため、安全を求めてたくさんの人々が避難生活を送る事態へと発展しています。