中東情勢の悪化-即座の鎮静化と民間人の保護を

中東
2025.06.16

ジュネーブ(ICRC)―赤十字国際委員会(ICRC)は、中東で繰り広げられている軍事行動の応酬を深く懸念し、国際人道法の尊重を強く求めています。すでに複数の紛争による影響を受けている当該地域で、事態がさらに悪化すれば、すべてのコミュニティーに壊滅的な結果をもたらし、被害はより広範囲に及ぶリスクがあります。人道危機をより深刻なものにし、多くの人が国内外への避難を余儀なくさせられるでしょう。

過去数十年間、度重なる危機のたびに矢面に立たされてきた中東の人びとが今一番必要としているのは、暴力からの解放です。すべての関係者は、事態の鎮静化に加えて、人間の生命と尊厳の保護を最優先に行動しなくてはいけません。ICRCは、すべての関係者が国際人道法を守り、民間人と民用物の保護を徹底するように強く求めます。

さらなる苦しみと破壊をもたらす戦闘に歯止めをかけるには、法的義務を全うするだけでなく、確固とした政治行動も必要です。情勢が再び安定し、人命を救うために、緊急に外交的措置を講じなければなりません。

ICRCは紛争による影響を受けているすべての地域で各関係者に対して、国際人道法に則って民間人、医療従事者、生活に必要不可欠なサービスと民用物を確実に保護するよう呼びかけ続けています。また、緊急対応チームを発足させ、現地の人びとに寄り添う赤十字運動のパートナーと協力し、支援を展開しています。

これ以上の苦しみを防ぎ、人類の基本原則を守るため、今まさに、私たちの行動が求められています。

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