ナイジェリアの避難民の願いは身の安全、基本的なニーズが満たされること、そして帰郷

ナイジェリア
2022.02.04
マイドゥグリにあるグビオ・キャンプの様子

紛争下にあるナイジェリアでは、子どもたちが深刻な影響を受けています。写真は、マイドゥグリにあるグビオ・キャンプの様子。©Lucien Christen/ICRC

ナイジェリア(ICRC)―ナイジェリア北東部ボルノ州の州都、マイドゥグリにある国内避難民キャンプの閉鎖が決定されたことを受け、赤十字国際委員会(ICRC)はボルノ州における動向を注視しています。再び移動を余儀なくされる数千世帯がよりいっそう追い込まれ、この地域の人道ニーズが増大する可能性があるためです。

先月末にマイドゥグリや同じくボルノ州にあるバマを訪問した、ICRCのジル・カルボニエ副総裁は、「武力衝突から逃れてきた人々は、非常に弱い立場に置かれてます。彼らの多くはすでに数回避難を余儀なくされ、持ち物や生計手段を失っています。ICRCの最優先事項は、これまでと同様、コミュニティーの人々の暮らしの再建を支援し、尊厳ある日常を送れるようにすることです。帰郷を望んでいる家族もありますが、身の安全や基本的なサービスへのアクセスができないことを危惧しています」と語ります。

キャンプを訪問するICRCスタッフ

2022年1月29日、マイドゥグリのグビオ・キャンプを訪問したICRCのジル・カルボニエ副総裁、マイドゥグリ副代表部のタミネ・ジャンゴルバン首席代表、アフリカ副事業局長のモナ・サデックの面々。©Lucien Christen/ICRC

ICRCは、帰郷予定地の中には治安情勢が不安定でアクセスできない地域もあることを憂慮しています。ナイジェリア赤十字社と協力し、避難民の支援に引き続き全力で取り組み、特に、閉鎖されたキャンプから、マイドゥグリ地域内のホストコミュニティーまたはアクセス可能な支援拠点に移る人々の支援に注力しています。また、最も弱い立場に置かれている家族に対して、栄養失調の場合は栄養支援、生活必需品の配付、安全な飲料水へのアクセスの支援を行っています。コミュニティーに対しては、持続可能な生計手段を得るための支援や、行方不明になった家族の捜索の手助けを行っています。

ナイジェリアが2012年に批准した、アフリカにおける国内避難民の保護及び援助のためのアフリカ連合条約(カンパラ条約)によると、国家は避難民を保護・援助する第一義的な責任を負っています。ICRCは、すべての紛争当事者に人々の命と尊厳の保護を呼びかけます。