モザンビーク:故郷を追われた6,000人に生活必需品を提供

モザンビーク
2022.08.03

©ICRC

モザンビーク(ICRC)―モザンビーク北部で新たに避難民となった人々のニーズに対応すべく、赤十字国際委員会(ICRC)は先週、モザンビーク赤十字社と協力し、6,000人に生活必需品を配付しました。ここ数週間にわたり、紛争により避難民となった人々が、同国北部カボ・デルガード州アンクアベ郡から同州のミーズに流入しています。

ひどい状態でたどり着いた人々を見ると、胸が張り裂けそうになります。人々は、着の身着のままで故郷から逃れてきたのです。避難民は、ミーズで暮らす人々の自宅に受け入れられましたが、そうした人々にも大勢の家族がいるため、場合によっては不安定な立場に追い込まれます。屋内で暮らすことがかなわない人々もいます。

ICRCモザンビーク代表部 経済安全保障担当 アブディリザク・アハメド・マーリム・モハメドヌール

ミーズで暮らす親戚宅やホストファミリーの元に身を寄せる避難民には、防水シートやバケツ、毛布、蚊帳、石鹸、鍋やカトラリーなどの台所用品を配付しました。

ICRCは、長引く武力紛争により、人道上の被害が積み重なって行くことに対して、懸念を強めています。新たに避難民となった人々の多くは、すでに一度、安全を求めて他の地域からアンクアベ郡に逃れてきた人々です。それが、今回、再び避難を余儀なくされたのです。徒歩やバスで新天地にやってきたものの、生計を立てる手段もありません。

移動中に家族が離ればなれになることも多く、保護者がいない子供も少なくありません。国際移住機関(IOM)によると、ここ最近、新たに避難民となった人々のうち、実に55%が18歳未満です。

避難民が発生すると、受け入れ先の町や村の人口が急増し、教育や医療、清潔な水といった必要不可欠なサービスへのアクセスが困難になります。アンクアベ郡から避難した人々の数は、6月の1カ月間だけでも36,000人に上ります。カボ・デルガード州全体では、78万人以上が武力紛争下で避難を余儀なくされました。

2022年1月以降、ICRCが現地で実施した支援:

• 21,000人に生活必需品を配付。
• カボ・デルガード州の州都ペンバ、および同州のモンテプエやメトゥゲで暮らす避難民2,905世帯に送金。
• 給水ポンプや貯水槽、井戸を建設。
• 自律型太陽光発電システムを用いて、1万の避難民に水を供給することに加え、水系伝染病の予防に貢献。
• 水供給システムの維持管理を行う委員会を設立。
• 合計16万6,000人余りに医療サービスを提供する、ペンバとモンテプエにある6つの医療施設を修繕。
• モザンビーク赤十字社と協力し、武力紛争下にあるカボ・デルガード州、および、同国中部ソファラ州やマニカ州の各地域で暮らす100万人に対する、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を支援。