モザンビーク・カボ・デルガード州での紛争の激化―住民数千人に被害

モザンビーク
2021.05.07

©AFP

赤十字国際委員会(ICRC)は、モザンビーク北部のカボ・デルガード州パルマでここ最近、暴力の応酬が急増していることを懸念しています。 最近では3月24日に始まった軍事衝突により、住民が多大な被害を受け続けています。

「命からがら故郷を逃れてきた数千もの人々が、どれほどつらい経験をしたことか、想像することすらできません」とICRCモザンビーク代表部キャサリン・ゲンドレ首席代表は語ります。 「現地に取り残された人々の健康状態も非常に心配です。紛争下で被害を受けている人々のもとに私たちが安全に辿り着けるようすべての当事者に協力を要請します」。

かつてパルマでは約75,000人が暮らしていましたが、その多くが暴力により避難を余儀なくされました。行き場を失った何千もの住民が、食料や飲み水を手に入れることも、医療を受けることもできないまま、パルマやその周辺地域に留まっていると考えられています。

通信は遮断されたままのため、死傷者の正確な数など、現地における人道上の被害を十分に把握することは困難です。 ICRCは、モザンビーク当局やモザンビーク赤十字社、その他の人道支援機関と協力して状況を見極めながら、緊急支援を行う準備を進めています。

武力紛争が激化しているカボ・デルガード州で暮らす人々を支援するために、ICRCはこれまで行ってきた支援を継続するとともに、新たに以下の支援を行っています。

  • モザンビーク赤十字社と協力し、カボ・デルガード州の州都ペンパにあるペンバ港とペンバ空港に救急車を待機させ、両地点にたどり着いた傷病者をカボ・デルガード州立病院に搬送。
  • ペンバにある州立病院に対して、負傷者を治療するための輸液セットと応急処置用品一式を50セット寄付するとともに、依頼に応じて提供できるよう追加分を準備。追加分は、負傷者が治療を受けるために訪れるカボ・デルガード州内にある他の病院に対しても提供することが可能。
  • 新しく避難してきた人々に支給するための、生活必需品の在庫を補充。
  • 現地に拠点を設けて行っている離散家族の再会事業の規模を拡大。訪れた人々が親戚と連絡を取れるよう、行方不明者の登録や無料の電話サービスを実施。
  • 現地当局や人道支援組織と密に連携しつつ状況の推移を見守り、こうした人道危機への対応を進めている。