「救急処置室での外傷診療」講習は、医療の専門家たちが、最新の救急処置や医療技術を身に付けるのに役立っています。パキスタンでは、こうした講習会は、医師の能力強化、特に、質の高い医療サービスを提供できるかどうかの要素を多く含む、遠隔地の病院で働く医師の能力強化において重要な役割を担っています。訓練のおかげで、医師や看護師は質の高い医療を提供するだけでなく、緊急事態に対処するスタッフへの訓練の一助にもなります。
講習会はパキスタン北西部のペシャワールで5月8日から10日にかけて実施されました。レディー・リーディング・ホスピタルや(近年カイバル・パクトゥンクワ州に併合された)連邦直轄部族地域のエージェンシー・ヘッドクォーター・ホスピタル、そしてカイバル医科大学から、16人の医師と4人の看護師が参加しました。
外傷の救急処置にあたる医療従事者たちの技術向上のためにICRCが用意したカリキュラムは、とても実践的でシミュレーションを基本としています。患者の命に関わる危険な状態に陥った場合のさまざま状況に参加者を慣れさせ、最終的な治療に入る前に患者の様態を安定させることに集中させます ©A. M. Goraya/ICRC
トレーニングでは、講義、プレゼンテーションのほか、災害準備などの実践的なシミュレーション、ロールプレイ、訓練、そしてバッグやマスク、気管挿管による気道確保、担架への移動、身体の固定、輸液による蘇生技術などが含まれます ©A. M. Goraya/ICRC
トレーニングでは、基本的な救命技術、複合的かつ複雑なけがの処置、感染予防といった治療も扱います ©A. M. Goraya/ICRC
参加者はトレーナーが見守る中で実習を行い、学んだ方法を実践します。彼らは、トレーニングで得た技術を、それぞれが働く病院のスタッフに伝えます。戦力を倍増させる担い手でもあるのです ©A. M. Goraya/ICRC
救急処置室で外傷患者の治療にあたった豊富な経験を持つ、オランダ出身の外科医ジュリアン・ローリングス医師がトレーニングを行いました。彼は以前、イラク、アゼルバイジャン、キルギス、ウズベキスタンの現場で活動していました ©A. M. Goraya/ICRC
講習会を終え、参加者たちには、ペシャワールにあるカイバル医科大学から医師生涯教育プログラム(CME)の9単位が授与されました ©A. M. Goraya/ICRC