ウクライナ・ロシア武力紛争下での一年:赤十字運動が報告書を発行
この一年の間、国際赤十字・赤新月運動(赤十字運動)は一丸となって、ウクライナやその近隣諸国で最も緊急に支援を必要とする人々に寄り添って、その支援に取り組んできました。世界中から集まった赤十字運動の職員や各国赤十字・赤新月社のボランティアの数は、延べ12万4,000人超。このたび、総力をあげて行ってきた一年にわたる活動内容をまとめた、『The Russia-Ukraine international armed conflict: One year of the global Red Cross Red Crescent Movement response(ウクライナ・ロシア武力紛争下での一年:赤十字運動の活動報告)』という30ページの報告書を発行しました。以下に、その概要を掲載します。
ロシア・ウクライナ国際的武力紛争は、千数百万もの人々の暮らしに壊滅的な影響を与えています。600万人近くが故郷を離れてウクライナ国内をさまよい、800万人近くが国外への避難を余儀なくされました。民間人が死傷し、住宅や学校、医療施設をはじめとした重要なインフラも破壊されています。
赤十字運動としての一年間の活動を振り返る
前線に近い地域は、特に危険で悲惨な状況に陥っています。赤十字国際委員会(ICRC)は、 国内各地に支部を持つウクライナ赤十字社と連携して地元コニュニティーで食料や飲み水の配付、および現金の支給などの支援を続けてきました。
赤十字運動の職員や各国赤十字・赤新月社のボランティアの活動地域は、ウクライナ国内に留まりません。同国と国境を接する近隣諸国でも、武力紛争から逃れてきた人々に対して救援物資や医療、こころのケアなどを提供しています。
国際社会による継続的な支援が必要
この一年の間、ウクライナ各地の人々は力をふりしぼり、何とか耐え忍んできました。一方で、国際社会による継続的な支援も必要としています。いくら武力紛争が早期に解決したところで、人々や家屋、重要なインフラに及んだ壊滅的なダメージから回復するには、数年を要するからです。私たち赤十字運動は、これまで同様、これからも支援を必要とする人々に寄り添い、求められる支援を届けて行きます。