ソマリア:ビジネスを営む女性への経済自立支援

ソマリア
2021.08.19

女性や若い起業家が経営する中小企業は、コロナ禍で経済的な打撃を受け続けています。新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のためのロックダウン措置により、サプライチェーンが大混乱し、商品の需要が大幅に減少したためです。

ICRCは、経済自立支援を通じて、弱い立場に置かれた低所得者層の家族に対して、収入源となる小規模ビジネスを始めたり、再開したり、拡大したりする支援を行っています。最終的には、生計の維持・改善につなげることが、その目的です。

ソマリアでは、弱い立場に置かれた女性が世帯主である世帯を対象に、現金給付と経営スキルのトレーニングを組み合わせた経済自立支援を行っています。今年、ソマリアの首都、モガディシュでは、200人以上の女性経営者が、現金500米ドル(約55000円)を受給し、企業業績向上のためのトレーニングを受けました。

この記事では、モガディシュ市ハマーウエインでビジネスを営む6人の女性 を紹介します。

アスリ・サラドさんは、モガディシュで20年以上服を売り続けてきましたが、コロナ禍で、顧客の数はすっかり減ってしまいました。アスリは、ICRCから500米ドル(約55,000円)を受給して、服の仕入れを増やし、残りのお金で10人の子どもたちを養っています。
©Ismail Taaxta/ICRC

エブラ・ムフタル・グハド さんは、30年にわたり小売店を経営してきました。マンゴーやバナナをはじめ、牛乳や冷たい飲み物、風船やお菓子などを売っています。夫は洗濯業を営んでおり、2人の収入で7人の子どもを育てています。
©Ismail Taaxta/ICRC

36歳のドゥニヨ・モハメッド・アーメッドさんは、7年前からモガディシュでカフェを経営し、ソマリ料理を振る舞っています。「新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう前は、食事時は朝も昼もいつも満席でした」。
©Ismail Taaxta/ICRC

ファドゥマ・モハメット・アブディラマンさんは、パン作りの仕事を始めて30年になります。毎朝6時にカフェを開店し、ペストリーを提供します。一番忙しいのは早朝と午後です。多くのソマリア人が、ペストリーをスパイシーなホットティーである「シャア」と一緒に楽しむ時間帯だからです。
©Ismail Taaxta/ICRC

ファドゥマ・アーメッドさんは、モガディシュで独学でヘナを学んだ、ヘナアーティストです。1人の子どもをもつシングルマザーで、自分の稼ぎで家族を養っています。「お客様が美しくなって笑顔でサロンを後にするのを見ると、嬉しくて仕方がありません」とファドゥマは語ります。
©Ismail Taaxta/ICRC

マーヤン・アブカー・ハジさんは、ハマーウエインで仕立て屋を営む唯一の女性として、女性服のデザインと縫製を行っています。現金給付や経営スキルのトレーニングも受けています。
©Ismail Taaxta/ICRC