ソマリア:収容施設にラマダン期間中の食材を提供
世界中のイスラム教徒が聖なる断食月「ラマダン」を迎える中、収容所内にいるソマリアの人々も例に漏れずこの恒例行事にあやかります。国内12カ所の収容施設では、4,000人近い被拘束者に対して、ヤギ肉やナツメ、レンズ豆、脱脂粉乳、砂糖、香辛料、食用油、トマトペースト、茶葉などが配られました。ラマダン中、日没後に取る伝統的な食事「イフタール」用です。
一年の中で最も神聖な一カ月です。心待ちにしていたこの月の到来を神に感謝し、祝福しています。
バイドア中央刑務所にいる被拘束者
ソマリアの収容施設を定期的に訪問し、捕虜の収容状況や待遇をモニタリングしている赤十字国際委員会(ICRC)は、ラマダンに合わせて毎年このように食材の調達と提供を実施しています。
私たちの仕事は、被拘束者が人道的な扱いを受け、その権利と尊厳が保たれるようにすることです。バイドア中央刑務所を含め、私たちが訪問している国内各地の収容施設でも同様の支援をしています。
ICRC保護要員
ICRCは、1870年以来、武力紛争やその他の暴力を伴う事態下で拘束された人々を中心に支援を行い、現在は90を超える国や地域で被拘束者を訪問しています。ソマリアでは、オガデン紛争下の1977年に収容所訪問を開始。2022年には、同国各地にある10カ所の収容施設で約4,000人の被拘束者を訪問し、その収容状況や待遇を見て回りました。
拘束された身内の消息を知り、家族が連絡・面会できるようにするために、ICRCは当局への働きかけも行っています。昨年、被拘束者の近況を家族に電話で伝えた件数は、159に上ります。また、4つの収容施設に医療機器や医薬品を届けるほか、栄養失調に見舞われた2人に治療を施しました。
一年に一度の聖なるラマダン月を迎えたソマリアは今、最悪の干ばつに見舞われています。6年連続で雨季が訪れず、食料や燃料の価格が高騰する中、数百万ものソマリア人にとって、1日3食の食事はもはや手の届かない贅沢となっています。こうした状況下で、収容施設にいる人々の栄養状態が特に危惧されています。
ラマダン用支援:12の収容施設にいる被拘束者3,910人が対象。
イスラム圏で #ラマダン が始まったことに伴い、ソマリア🇸🇴で被拘束者4,000人へ、ヤギ肉やナツメなど、日没後にとる食事の材料を提供しました🌙
ソマリアは現在、最悪の干ばつに見舞われ、数百万人にとって1日3食の食事がもはや手の届かない贅沢になっています。
詳細は👇https://t.co/V8Mujbg1he pic.twitter.com/DOJlP3cW07
— 赤十字国際委員会 (@ICRC_jp) March 29, 2023