ソマリア:ラジオを使った予防策
赤十字国際委員会(ICRC)とソマリア赤新月社は、地域のラジオ局と一緒に、急性の水様性下痢やコレラなどの病気を防ぐため日々の衛生習慣の啓発を行っています。このフォトギャラリーでは、命に関わる病気の怖さなどの情報を発信する役者の姿など、制作の裏側を紹介します。
マカ・アル・ムカラマ道路沿いのワベリ地区にある建物の最上階から見える首都モガディシュの地平線。20ある地元ラジオ放送局が電波にはひしめいている © Abdikarim Mohamed/ICRC
ソマリアでは、他の情報媒体と比較してラジオによるリーチが今でも首位を占める。ICRCはソマリア赤新月社と、地域の衛生環境と安全性の向上に取り組む © Abdikarim Mohamed/ICRC
ムスタクバル・ラジオ局の番組作成者であるAhmed Isse Gutaleは、ICRCとソマリア赤新月社が推進する3つのラジオCMの台本作成に携わる。伝えたいことは、石けんで手を洗うこと、安全な水を飲むこと、そして妊婦健診のためにソマリア赤新月社のクリニックを訪問することの3つ © Abdikarim Mohamed/ICRC
Ayan Gure Bareはムスタクバル・ラジオ局の技術者。彼女はスタジオで音楽を調整し、トークショーではあらゆる司会者にキューを出す。そんな彼女は、ラジオCMで使用する音響効果の制作や調達を担った © Abdikarim Mohamed/ICRC
ラジオ局の制作トップであるNasrin Mohamed Aliは、ラジオCMのキャラクターの声を担当。ラジオ聴取者に伝わりやすいよう、CMは日々の出来事にユーモアを交えた脚色を含めた © Abdikarim Mohamed/ICRC
20歳のAbdullahi Hussein Omarは、ラジオCMの中で少年役を演じる。母親が制止する前に安全でない水を飲もうする役。ソマリアでは、乾季も雨季も汚染された水の摂取による感染症の脅威に常にさらされている。乾季の水不足は、地域の人々を、洪水で汚染されたリスクの高い、浄化されていない水に頼らざるを得ない状況に追い詰める © Abdikarim Mohamed/ICRC
CMで自分のシーンを演じるMandeq Ali。妊婦健診のためにソマリア赤新月社への定期的に通うことを推奨するCMでは、女性の声があう © Abdikarim Mohamed/ICRC
プロジェクトに携わる役者の一人、Mohamed Abdulkadir Sharrifは石けんを使って手を洗う習慣を啓発するCMの声を担当。石けんを使わない手洗いは手洗いではないという内容。世界では、石けんを使って手を洗うことが、下痢や水を介した感染症を防ぐのに費用対効果の高い方法の一つと考えられている © Abdikarim Mohamed/ICRC
3つのラジオCMは、ソマリア全土の放送局で流される予定。ICRCが運営するコレラ感染治療センターによれば、2017年、水様性下痢患者のうち、61人が犠牲になった一方で1万728人が治療を受けた © Abdikarim Mohamed/ICRC