スーダン:ハルツームの孤児院から子ども280人とケアワーカー70人が安全に避難

スーダン
2023.06.14

激しい戦闘による影響を受けたスーダンの首都ハルツームにある孤児院から、280人の子どもたちとケアワーカー70人が首都郊外のより安全な場所に避難しました。

赤十字国際委員会(ICRC)のチームは2023年6月7日、マイゴマ孤児院の避難を支援。生後1カ月の乳幼児から15歳の子どもたちを、ハルツームから南東約200キロに位置するワドメダニに運びました。

子どもたちが安全を確保できたことに大きな安堵を感じています。この6週間、子どもたちは紛争が続く地域で、非常に困難な時間を過ごすことを余儀なくされてきました。適切な医療を受けることができず、特別な支援を必要とする子どもたちは特に厳しい状況に置かれていました。

ICRCスーダン代表ジャン=クリストフ・サンド

避難した子どもたちの中には、心の問題を抱えている子どもたちもいます。ストレスの多い紛争下では、そうした心の問題は悪化する懸念があります。

ICRCは、同国の社会開発省からの要請により、保健省との緊密な連携のもと、今回の避難を支援しました。今回の避難が実現したのも、中立な仲介役として、すべての紛争当事者から安全の保障を得て、子どもたちと孤児院のスタッフの安全な通行を実現することができたからです。ワドメダニに到着した子どもたちは、同省の職員に引き渡されました。

4月15日にスーダンで戦闘が発生して以来、ICRCはスーダン赤新月社と緊密に連携して、病院への手術用具の提供や、遺体の回収と身元の特定、清潔な水へのアクセスの改善などを実施してきました。また、大切な人との連絡が取れなくなった家族の連絡回復・再会支援を行ってきました。さらに、ICRCは医療施設への負傷者の搬送を支援し、国際人道法に基づく義務の遵守を訴え、すべての当事者との対話を続けています。