スーダン:第一弾の人道支援物資がポートスーダンに到着

スーダン
2023.05.01


スーダンでの紛争ぼっ発に伴う緊急支援の一環として、4月30日に赤十字国際委員会(ICRC)の飛行機が中東ヨルダンの首都アンマンからスーダン北東部ポートスーダンに向かって飛び立ちました。医療向け救援物資を現地に届けます。

8トンの積み荷には、スーダンの病院向けに、兵器で負傷した数千人を治療できる量の麻酔薬や包帯、縫合糸などや、スーダン赤新月社が戦闘による負傷者を救援する際の医療用品が含まれます。戦闘が続く中、ICRCのチームが首都ハルツームなどの激戦地にある医療施設にこうした物資を届けるためには、移動中の身の安全が紛争当事者により保証される必要があります。

4月14日以降、現地で切実に必要とされているにも関わらず、誰一人として医療支援にたどり着けていません。ポートスーダンに医療物資が到着して、一刻も早くそれらを緊急に必要としている病院に届けるためにも停戦は欠かせません。スーダン赤新月社の同僚たちと共に速やかに物資を届け、医師や看護師、応急処置に携わるボランティアをはじめとした医療スタッフがきちんとその役目を果たせるようにするためには、停戦がすべての当事者によって守られなければならないのです。

ICRCアフリカ局長パトリック・ユーセフ

民間航空機がスーダンに往来できなくなって以来、ICRCは、物流・セキュリティー面で立ちふさがる問題に対処し、戦闘下で身動きが取れなくなった民間人を支援すべく力を尽くしてきました。喫緊かつ最重要の課題は、病院への医薬品の提供と水道・送電線の復旧支援です。

ICRCの重要な物流拠点の一つであるヨルダンにおいては、現地当局が今回の医療物資輸送のために迅速に航空機を調達してくれたことに対して、心より感謝申し上げます。また、人道支援物資やスタッフを乗せた飛行機の受け入れに便宜を図ってくれているスーダンの民間当局の協力にも心より御礼申し上げます。

🄫ICRC

ICRCは2機目を手配し、医療物資と緊急援助に携わるスタッフを現地に送り届ける予定です。

「世界保健機関(WHO)によると、これまでに4,700人超の負傷者と450人近い死者が確認されています。こうした中、医療支援はもちろんのこと、専門家による遺体の管理が徹底される必要があります」とユーセフ局長は続けます。「今回を皮切りに、引き続き現地に物資を届けられるよう望んでいます。医療を求め病院にやってくる数千人に対応するために非常に重要です」。

ICRCは紛争当事者に対して、国際人道法上の義務を尊重し、医療や人道支援に携わるスタッフの活動を促進し、被拘束者を人道的に扱い、民間人が命を落としたり民用物やインフラが損傷したりする事態を避けるべく実行可能なあらゆる予防措置を講じるよう改めて呼びかけます。


ICRCは、1978年にスーダンに拠点を設けて以来、ダルフールや青ナイル、南コルドファンで紛争下にある人々の支援を行ってきました。現在、ICRCはスーダン赤新月社と緊密に連携しながら、病院や保健施設に機材や物資を提供する他、地元の水道局と協力して住民の飲み水へのアクセスを改善し、当局による障がい者の身体リハビリテーションの提供を支援しています。