タンザニア : カグンガとキゴマに押し寄せるブルンジ難民
ブルンジ国内は選挙前の緊張が続いており、市民が安全な場所を求めて、タンザニアやルワンダ、コンゴ民主共和国に避難しています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、これまでに近隣諸国に保護を申請したのは11万2000人以上、そのうちタンザニアへ逃れた避難民は7万人以上です。
ブルンジとの国境に近いタンザニアのカグンガとキゴマの人道状況は切迫しており、約5万人の避難民がニャルグス難民キャンプへの移動を心待ちにしています。赤十字国際委員会(ICRC)はタンザニア赤十字社と協力して、カグンガとニャルグス難民キャンプで人道支援活動を展開しています。ICRCは、難民キャンプに到着した人々に対し、離ればなれとなった家族との連絡回復と再会を支援。タンザニア赤十字社は、カグンガとタンガニーカ湖スタジアムに設置された待機所で、救急活動を行っています。赤十字ボランティアは、コレラの発症を阻止するために衛生管理にも力をいれています。
カグンガに逃れてきた約5万人の避難民に対しては、支援体制の整っているキゴマのニャルグス難民キャンプに彼らを移動し、少しでもカグンガの混雑を軽減することが最優先課題となっています。この写真は、キゴマへ向かう船への乗船を待つ避難民達が海岸に押し寄せている様子です。キゴマへは3時間かかります ⒸL.Kamau/ICRC
カグンガの海岸でわずかな所持品を持ってボートに乗り込む避難民。カグンガには波止場がなく、移送船まではボートで移動します ©L.Kamau/ICRC
女性や子どもは別のボートで移動し、船内でも男性達とは離れた場所に誘導されます。増水したタンガニーカ湖で人々を乗船させるのは困難が伴います。しかし、訓練されたライフセーバーがそれぞれのボートに乗り込み、全員が無事にキゴマへ到着できるよう努めます ©L.Kamau/ICRC
キゴマへ避難民を移送する船内の一部。一回で一隻につき約600人を移送するこの船は、一日二往復します。これによりカグンガの混雑が緩和されます。移動中に治療が必要となる避難民のために、医療従事者も乗船しています ©L.Kamau/ICRC
キゴマに到着した少女。ブルンジから逃れてきたとき、大半の人がわずかな所持品しか持ってこられませんでした ©L.Kamau/ICRC
キゴマ到着直後の様子。下船する喜びが満ち溢れ、辺りは避難民による大合唱に包まれます。彼らはすぐにバスに乗り込み、食料や治療といった支援が受けられるタンガニーカ湖スタジアムに設けられた待機所に向かいます ©L.Kamau/ICRC
警備員がカグンガに到着したばかりの避難民達の検査をしています。キゴマの住民と避難民双方の安全を守るためにもセキュリティ検査は必要不可欠です ⒸL.Kamau/ICRC
暴力を伴う事態になると、一番の苦痛を強いられるのは常に女性と子どもです。逃れている時に家族と離ればなれになってしまったと思われる保護者や養育者を伴わない子どもがカグンガには大勢います。私たちはタンザニア赤十字社と連携して、ニャルグス難民キャンプで離散家族の連絡回復・再会支援を行うとともに、電話回線を利用して他国にいる親戚などに連絡を取るサービスにも取り組んでいますⒸL.Kamau/ICRC
男性の避難民がセキュリティ検査の開始を待っています。手首に巻かれた赤いテープは、彼らがUNHCR登録されていることを証明するものですⒸL.Kamau/ICRC
カグンガから到着する難民の中には、衰弱しきっている人もいます。医療従事者は救急車と共に常に待機していて、病気や怪我の治療ができるタンガニーカ湖スタジアムに安全に搬送できるよう努めています ⒸL.Kamau/ICRC
タンガニーカ湖スタジアムとキゴマ間を結ぶバスに乗り込もうとしている女性と子ども。UHCRがバスを借り上げています ⒸL.Kamau/ICRC
前夜にカグンガから到着し、初めてタンガニーカ湖スタジアムで食事をする子ども。このスタジアムに設けられた待機所では、ニャルグス難民キャンプに移動する前の手続きが行われます ⒸL.Kamau/ICRC
タンザニア赤十字社の50名のボランティアは、カグンガとタンガニーカ湖スタジアムで救急処置を施す訓練を受けてきました。この写真は、彼らが患者をスタジアムから患者を運ぶ様子ですⒸL.Kamau/ICRC