イエメン:113名の被拘束者が解放
5月26日、イエメンの首都サヌアで113名の被拘束者が解放されました。当局からの要請を受け、赤十字国際委員会(ICRC)はこの解放を支援しました。解放された被拘束者は、人道的処遇が保障されるようにICRCが定期的に訪問をおこない、支援していた人びとでした。
イスラム教の祝祭イード・アル=アドハーの祝日が近づく中、愛する人の帰りを待ちわびている家族のために、人道的配慮が優先事項となっていることを嬉しく思います。今後、さらなる被拘束者の解放への道が開かれ、再会を待ちわびる家族が安堵できるよう願っています。今回のように当局の許可があれば、私たちにはイエメン紛争に関連する被拘束者とその家族に解放に向けた人道支援を拡充する準備が整っています。また、紛争当事者が合意に達した場合には、被拘束者の同時解放と移送に向けた中立的な人道的仲介者を担う用意もあります。
ICRC駐イエメン代表 ダフニー・マレット
ICRCは、これまでの慣例に倣い、被拘束者に対して出国前の非公開面談を実施しました。この面談の目的は、被拘束者の身元を確認し、そして自宅への直帰または希望する場所を被拘束者に確認することです。
ICRCイエメン代表部の保護部門責任者アレシア・ベルテリは、「ICRCは、すべての被拘束者との話し合いを通じて、解放手続きに関する懸念に耳を傾け、彼らが家族と連絡を取っていることを確認し、必要に応じて被拘束者の状態を追跡するのに必要な情報を収集した」といいます。
解放に先立って、ICRCの医療スタッフは被拘束者の健康状態を確認しました。その上で、道路を移動する適性を判断し、一部の被拘束者には移動を補助する特別措置を講じるよう当局に勧告しました。送還に際して、イエメン赤新月社(YRCS)は救急車2台を提供し、そのうち1台は健康上の問題を抱える被拘束者を出身地に移送するためのものでした。
ICRCは、ストックホルム合意に基づく交渉の再開に向けた一歩として、今回の被拘束者の解放を歓迎します。同合意の当事者が再び被拘束者の解放に合意した場合には、2020年や2023年におこなったように、ICRCは被拘束者の解放・移送・送還を促進する中立的な仲介者としての役割を果たしていきます。