イエメン:被拘束者の釈放と帰還が実現

©ICRC
イエメンの首都サヌアで、紛争に関連して拘束されていた159人が現地当局により釈放され、ICRCもサポートしました。
同僚たちは、被拘束者全員と事前に個別に面談し、家族に釈放の予定について伝えました。釈放された後に尊厳を保ちながら自宅に戻れるよう、必要な支援をおこないました。ICRCの医療スタッフは、健康状態を確認した後、車での移動に問題がないかを判断しました。また、特別な配慮が必要な人には、それぞれの状況に応じた移動手段を手配しました。
今回の釈放は、捕虜に関する問題を扱う国内委員会によって進められたもので、ストックホルム合意に基づくものではありません。ICRCは、誰を何人釈放するかについての決定には関与していません。
イエメンの紛争に関連して拘束された人びとの釈放や移送、帰還については今後も、紛争当事者の要請に応じながら、これまでと同様中立的な仲介者として協力していく方針です。
増える一方の患者対応に奔走する医療現場
そうした中、国内の医療事情は深刻です。病院では負傷者が増え続け、対応が追いつかない状況です。すでに厳しい状況にある医療体制は、医療物資や医療従事者が不足し、専門的な治療の提供も難しくなるなど、さらなる負担に直面しています。
戦闘の前線、特にマアリブ、タイズ、紅海沿岸地域では、武器による負傷者がかつてないほど急増しています。中には、1週間で700人以上の患者を受け入れた施設もあります。多数の負傷者が一度に搬送されるケースも増えています。
外傷患者の治療にあたる医療スタッフには、非常に大きな負担がかかっています。イエメンでは、現在も診療を続けている医療施設のうち、外傷患者に必要な治療を十分に提供できる施設はごくわずかです。前線の病院では、手術用の医療資材や麻酔薬、酸素、医薬品が不足するなか、多くの負傷者を受け入れています。医療従事者は、こうした緊急の治療に対応しながら、妊産婦や子ども、慢性疾患のある患者に必要な医療も提供し続けなければなりません
ICRCの保健医療コーディネーター、フェラス・アブサムラ
10年以上にわたる紛争や経済的困難、人びとの避難、感染症の流行により、イエメンの医療体制は、さらなる医療需要の増加に十分に対応することが難しい状況にあります。

アデンの医療当局に医療物資を提供(2026年10月13日)
©Fares Muthanna / ICRC

ホデイダの医療施設に増築された母子保健部門。妊産婦への医療を充実させるため、ICRC支援のもと必要な物資や太陽光発電設備を整えた
(2026年5月6日)
©Fares Sherian / ICRC

サヌアのリハビリテーションセンターで、義肢の装着をサポート(2025年3月1日)
©Wagdi Almaqtari / ICRC
ICRCは、医療物資の提供や治療施設への支援を通じて、緊急の医療が必要な人びとや慢性疾患を抱える患者への対応を続けています。また、保健当局や関係機関と協力し、病気の発生状況の把握や対策にも取り組んでいます。
紛争当事者は、人道支援に携わる職員や医療従事者が、助けを必要とする人びとのもとに辿り着けるよう、移動の安全を確保するとともに、救急車の活動を妨げないよう徹底することが重要です。
英語原文はこちら
Yemen: ICRC supports release of 159 detainees in Sana’a
Yemen: Health system faces mounting pressure as fighting intensifies