赤十字7原則:世界性(Universality)
2015.12.01
世界に広がる赤十字のネットワークを生かし、互いの力を合わせて行動します。
ここでいう「世界性」には、二つの意味が込められています。一つは、全ての人に支援が及ぶこと。もう一つは、世界の至る所に支援が及ぶこと、です。 現在189の国に赤十字社、赤新月社が存在し、ICRCもまた、紛争や戦闘の犠牲となっている人たちに手を差し伸べるため、87カ国で活動しています。(2014年末現在)
たとえば、戦争によって周辺国に散り散りになった家族に対しては、それぞれの国の赤十字社や赤新月社の力を借りて追跡調査をし、再会へと導きます。このように、私たちの活動は国境に縛られることなく、苦難を強いられている人間の利益にのみ奉仕するものであって、拠点を置いている国の利益のためではありません。
先に述べた「人道」と「公平」の原則を実践する上でも、必然的に、地球上で助けを求めているあらゆる人にたどり着く必要があるのです。
世界性にまつわるストーリー①
「世界性とは、私が家族とともにいられること」
中央アフリカ共和国の首都バンギにいる叔母を訪ねていたとき、町が襲撃され、ピレラは巻き込まれました。叔母と二人でなんとか隣国のコンゴ民主共和国へと避難し、安全な場所を確保。しかし母親の消息は一切分かりませんでした。
国際赤十字・赤新月運動は、ピレラの母親の消息を必死で探し、ついに居場所が判明しました。離ればなれになって一年。二人はようやく再会し、歓喜に沸きました。