エチオピア:相次ぐ負傷者に物資不足が追い打ち~ひっ迫する医療現場
アディスアベバ(ICRC)-ティグレ州の州都メケレ周辺で起きた戦闘から一夜明け、地元の病院など医療施設では負傷者を治療する物資にこと欠き、医療現場が窮地に追い込まれています。
エチオピア赤十字社(ERCS)が運営する救急車は、メケレにあるアイダー紹介病院に死傷者を搬送し続けています。
28日、赤十字国際委員会(ICRC)の職員がアイダー紹介病院を訪問し、患者の約8割が外傷由来であることを確認。負傷者が次々と運ばれてくることから、同病院では、限られた職員や物資を救急医療に充てるために、その他の多くの医療サービスを中断せざるを得ない状況です。
「この病院では、縫合糸や抗生物質、抗凝固剤、鎮痛剤に加えて、手袋さえも絶望的に不足している状況です」と、アイダー紹介病院を訪問し、メケレに駐在しているICRC職員は語ります。「メケレに向けた物流が寸断されて以降、三週間以上負傷者が後を絶ちません。医療従事者が患者の命を救うには、必要な物資と労働環境を整える必要があります」。
遺体収納袋も不足しています。病院食にもこと欠き、術後の患者や食事療法を必要とする患者に特に影響が及んでいます。
ICRCとERCSの車両や救急車はこれまでのところ、メケレ周辺を移動して死傷者を搬送したり、病院を訪問することができています。メケレに向けて医療物資などの支援を迅速に届けるために、私たちは当局と話し合いを続けています。
「メケレの状況は今日は落ち着いていますが、一日も早く必要な緊急支援が届くことを願っています」と前出の職員は語ります。「アイダー紹介病院の職員は非常に限られた人員と物資でできる限りのことをやっていますが、喉から手が出るほど緊急支援を欲しています」。
その間、エリトリア難民約1,000人が、エリトリアと国境を接したティグレ州北西部のシレ周辺の難民キャンプからメケレに移動してきていると言われています。その多くが食料などの支援を求めてメケレのICRC副代表部を訪れています。あらゆる人が人道支援を頼りにしている一方で、サプライチェーンの寸断により、メケレでニーズに応えることは今日難しい状況にあります。
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