医療団体ではない?~赤十字国際委員会 (ICRC) について

お知らせ
2023.10.25

©ICRC

赤十字国際委員会(ICRC)は、「敵味方の区別なく、傷ついた人はすべて救う」という理念のもと、1863年に永世中立国のスイス・ジュネーブで発足し、今年2月に創設160年を迎えました。国際赤十字・赤新月運動(以下、赤十字運動)の創設者でもあり、武力紛争時には、パートナーの国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、日本赤十字社など191の国・地域にある赤十字社、赤新月社と連携します。

戦時の人道ニーズを埋めるために、中立・独立・公平を掲げるICRCの活動は多岐にわたります。生活の自立支援や食料・水・避難所の提供、インフラ修繕、離散家族の連絡回復・再会支援事業、戦争捕虜や被拘束者の訪問など、紛争による犠牲者の支援と保護を多面的に行っています。

その中には、戦傷外科やこころのケアなども含まれていますが、医療・救命活動に関しては、私たちICRCというよりも地元のパートナー社、イスラエル・ガザを例に挙げると、ダビデの赤盾社(あかたてしゃ)、パレスチナ赤新月社が前面に出ています。ICRCは、世界各地のパートナー社および地元の医療・保健施設や当局を支援し、物資の供給や人材育成・補充など後方支援を行っているケースが多く、繰り返しになりますが、医療活動は多岐にわたる活動の一部でしかありません。

ICRCはまた、人道上の惨禍をもたらす核兵器などの武器、兵器の禁止も訴えています。
捕虜、人道回廊、核兵器…国際人道法の守護者・番人としてのICRCの役割 – 赤十字国際委員会

ジュネーブ諸条約の起源でもあり、戦時の決まりごとである国際人道法の守護者として、政府、反政府勢力、ゲリラ勢力などすべての紛争当事者と対話し、戦禍の人々に寄り添って命と尊厳を守る役割を与えられています。

こちらの短いアニメーションでわかりやすく私たちの人道的役割を説明しています。是非ご覧ください。(※2022年時点で、ICRCの職員数は2万2千人超、100ヵ国以上で活動しています)

なお、人道的使命の一環として、紛争犠牲者の権利が最大限尊重されるよう、紛争当事者や当局に対して、国際人道法上の法的義務を果たすように常に働きかけています。国の軍隊を含め、武器を携帯する個人や組織との対話は、全て守秘義務に則って二者間で行われます。人質や捕虜の解放にまつわる対話もその一環です。