ICRCインターンシップ体験談 広報インターン斎藤 愛実さん
応募のきっかけ
ICRCのオンラインキャリアセミナーに参加したことが一番のきっかけです。
当時、学部生だった私は、卒業後の進路として人道支援の分野に携わりたいと考えてはいたものの、どのように携わりたいのか、どのような進路があるのかなど、まだ定まっていないところも多くありました。そんな時、たまたま見つけたのがICRC主催のオンラインキャリアセミナーでした。「敵味方の区別なく、中立の立場から公平に人びとに寄り添う」。ICRCの理念にこの中立性があることを知り、ICRCならではの活動に強く魅力を感じた私は、いつかここで働きたいと思うようになりました。
2023年7月、大学卒業を控え、次は何をしようかと考えていたところ、広報インターンの募集を見つけ、絶対に応募するしかない!と思い応募しました。
業務内容
インターン期間中、広報にまつわる多くの業務に携わらせていただきました。
ICRC本部のウェブサイトに更新される世界各地の活動報告を集め、日本語版の記事の作成、世界で起きている紛争の現状や国際人道法、空席情報などを掲載する電子版ニュースレターの作成を主におこないました。
また、FacebookやX(旧Twitter)の更新も大切な業務の一つです。より多くの人の興味・関心を集めるにはどうすればいいか、職員の方とも相談をしながらコンテンツの作成をおこないました。ソーシャルメディアでは、投稿を見た人の数やいいねの数がより可視化されます。作成したコンテンツに対し、多くの反応が返ってきた時には特にやりがいを感じました。
これらの業務に加え、駐日代表 榛澤さんや水と暮らし事業担当のアレキサンダーさんにインタビューをおこなう機会もありました。収容施設の訪問や赤十字通信の実施、現地の住民との連携など、ICRCが実際の現場でどのような活動をしているのか、どんな課題があるのか、現地の様子を直接伺うことができ、人道支援の分野で働きたいと考えている私にとって貴重な経験になりました。
インターンシップ期間中、常に意識していたことは、読んでいただく方に分かりやすく、そして正確に伝えるということです。また、中立・公平・独立を掲げるICRCとして、適切な表現ができるよう、ただ英語を翻訳すればいいのではなく、微妙な表現の違いや日本語だからこそできる言い回しなど、一つ一つの言葉遣いに細心の注意を払いながら作業をおこないます。最初は一つの記事を書くのもやっとでしたが、職員の方から頂くアドバイスを基に改善し、コツをつかんでいくことで、段々と成長していくことができました。
インターン期間を振り返って
私は約半年間、広報チームの業務に携わらせていただきましたが、振り返るとあっという間で、どの場面を切り取っても良い思い出があります。
普段の業務に加え、自衛隊に向けて開催したセミナーや国際人道法模擬裁判・ロールプレイ大会にイベントサポートとして参加させていただく機会がありました。特に、模擬裁判とロールプレイ大会では、同年代の学生が目の前で国際人道法を用いた高度な論戦を繰り広げている様子を間近でみることができ、刺激になりました。
また、10月のイスラエルとパレスチナ被占領地での戦闘激化に伴う国境なき医師団との合同記者会見、11月のアフガニスタン首席代表来日に合わせた記者会見の場に同席させていただいた際の会見から記事・報道されるまでのスピード感を味わえたことはまたとない経験だったと思います。
世界は日々変化していて、この瞬間にも多くの人びとが助けを必要としています。私のインターンシップ期間中には、イスラエルとパレスチナ被占領地における戦闘の激化やリビアでの洪水、アフガニスタンの地震など、日本でも大きく取り上げられた紛争や自然災害が起きました。しかし、同時にスーダンやナイジェリア、ニジェール、モザンビークなどその他多くの国・地域でも何百万もの人びとが紛争や自然災害などによって避難を余儀なくされ、愛する家族とも離ればなれにならざるを得ない現状があります。
日本に住んでいると、紛争はテレビの向こう側の話、どこか遠い国の話のように思うかもしれません。しかし、私たちには関係ないで終わらせてしまうのではなく、駐日代表部の発信を通して、少しでも世界で起きていることについて関心を持っていただけたら嬉しいなと思います。
今後の展望について
今回のインターンシップを経て、人道支援の道に進みたいという気持ちは確固たるものとなりました。人道支援と言っても、そのアプローチ方法は多岐にわたると思うので、今後は駐日代表部での経験、そして2月より始まる大学院での新たな学びを通して自分がどのように貢献できるのかもう少し時間をかけて探究できればと思います。
将来、ICRCの職員の方々と業務を通してお会いできる日が来るように目標に向かって励んでいきたいです。
ICRCでインターンシップを考えている人たちへ
正直、私はインターンシップに応募する際、「この分野にとても興味はあるけれど、自分に応募するほどのスキルはあるのだろうか」と不安でした。しかし、今は思い切って応募してよかったと思っています。何か困ったことやわからないことがある時は、職員の方々がしっかりとサポートして下さるので、安心して業務に取り組むことができます。また、日々の業務で多くの学びを得ることはもちろんのこと、職員の方々と密接なコミュニケーションを取れることもインターンシップの魅力の一つだと思います。
国際的な機関で働くってどんな感じだろう、広報ってどんな仕事だろう、駐日代表部でのインターンシップはICRCや広報の業務についてよりよく知る絶好の機会です。実際に働いてみて分かる新たな魅力や気づきを得ることができると思います!