“ラチン回廊”を経由した支援
アルメニア
2023.02.22
アルメニアとアゼルバイジャン間の係争地ナゴルノ・カラバフ地域にあるラチン回廊は、アルメニア側に通じる唯一の陸路です。2022年12月19日以降、ICRCは、中立かつ人道的な仲介者としての役割に基づいて、またすべての当事者による合意を得て、このラチン回廊で18回の医療搬送を実施。緊急医療を必要とする60人の患者とその付き添いの人々の安全な通行を実現しました。
加えて、医薬品や粉ミルク、食料品を医療施設に届けるとともに、緊急医療や救急車のサービスが間断なく提供されるための支援も行ってきました。
2023年1月6日には、ICRCのチームは、8つの病院や1つのリハビリセンター、300人以上の貧しい高齢者が入居するケア施設、社会的に弱い立場にある家庭の子どもたちのための施設に食料や衛生用品を提供。1月30日からは、妊婦を対象として食料の入った箱や衛生用品一式の配付を始めました。
さらに、現地の情勢により、離ればなれになる家族が発生したことを受けて、1月初めより、家族の要望に基づいて、紛争当事者の合意も得た上で、ラチン回廊経由で95人の移送を支援しました。
1992年以来、アゼルバイジャンやアルメニアを含む南コーカサス地方に拠点を構えているICRCは、中立な仲介者として人道問題への対応を支援する態勢が整っています。