ウクライナ/ロシア:民間人の生命とインフラに危害を加えてはならない

ウクライナ
2022.10.12

©ICRC

首都キーウをはじめ、ウクライナの人口密集地が今回攻撃を受けたことで、ICRCは一時的に一切の移動を中止し、シェルターへの避難措置を取りました。これは、撤退や活動休止を意味するものではありません。私たちは、室内での仕事を継続しながら、安全が確保でき次第、現場活動を直ちに再開します。

ロシアとウクライナの国際的武力紛争が続く中、人口密集地での爆発性兵器の使用により、民間人の生命が危険にさらされています。最近のウクライナ各地への攻撃をはじめ、このたびの武力紛争で最も大きな影響を受け続けているのは、子どもや高齢者、傷病者、障がい者など、最も弱い立場に置かれている人々です。赤十字国際委員会(ICRC)は、民間人の死傷者数がさらに増える事態を非常に憂慮しています。

人口密集地で爆発性兵器が使用されれば、たくさんの人が命を脅かされ、心にも傷を負います。また、民用物やインフラへの打撃も大きく、水や電気、衛生管理、医療など、市民にとって必要不可欠な事業が中断します。冬を目前に、または冬の間にこうしたサービスが中断すれば、人道ニーズはとどまることを知らないでしょう。

国際人道法の下では、戦闘行為が民間人や民間インフラに影響を及ぼすことのないよう、軍事作戦を徹底することが求められます。民間人の生命に加え、医療施設や住宅、学校、発電所、水道など、住民の生活に欠かせないインフラを守り、危害が及ばないように、できる限りの措置を講じる必要があります。

広範囲に影響を及ぼす爆発性兵器を使用する際に、民間人の被害やリスクを制限するための措置が十分に取れない場合には、人口密集地での使用を避けなければなりません。